2010年7月3日土曜日

女性化乳房

乳腺超音波検査をしていると、時々男性の患者様もいらっしゃいます。

そのほとんどが前立腺の治療中です。
前立腺がんの内分泌療法で女性ホルモンを服用されていらっしゃいます。

検査のときに、話しを伺うと大体痛みを伴うといわれる方が多いです。
ちょうど思春期の胸が膨らみかけた頃の女の子も同じだと思います。(かすかな記憶...)


前立腺癌も治療し、これで乳癌も....と不安に思う方もいらっしゃいます。
たいていは女性化乳房です。
女性化乳房症とは、男性で何らかの原因により、女性ホルモンのエストロゲンと男性ホルモンのアンドロゲンの不均衡が、本来なら萎縮しているはずの男性の乳腺組織の増殖をうながして乳房が病的に増大したものと考えます。

男性乳腺は乳頭直下にわずかに存在するのみで、小葉はありません。
なので男性には小葉癌は発生しません。線維腺腫、嚢胞、腺症など良性乳腺疾患も小葉の病気です。
乳腺が薄いので浸潤癌は容易に他の組織へ浸潤してしまいます。

男性が来られた場合は、そのほとんどが「女性化乳房症」ですが、男性乳癌もごくわずかに存在します。気をつけて検査しなければいけません。

「きっと女性化乳房症だ...」なんて決めつけて検査していると、大変です。


以前、患者様の名前を呼んだら男性が検査室に入ってこられ、再度カルテを確認したら『男』と書いてありました。名前も女性でもいい感じの名前だったのですが....
カルテは検査前にきちんと隅々まで目を通して、既往歴、性別なども確認して検査に望まなければいけません。(当たり前ですね....)
乳腺超音波検査には男性患者様もたま〜に来られます。

待合室は女性だらけなので、肩身が狭そうにしていらっしゃいますが....

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