2010年12月12日日曜日

漠然とした、将来の夢

私は検査技師としては20年働いています。(アラフォーで年だけくっています)
一般検査室で検尿をしたり、検便をしたり。血液検査をしたり、生化学検査ではHCV,PSAの検査を来る日も来る日もしていました。

で、36歳で生理検査室に異動となり超音波検査を始めたわけです。
回りは10年、20年と超音波歴の長い人だらけです。

もともと解剖や病理など好きだったこともあり、超音波検査は楽しくさせてもらっていますが、勉強は大変です。今までと全く違う画像診断です。

子育て中ということもあり、なかなか勉強会にも行くことも出来ず....
(最近はかなり主人も協力的で、各地行かせてもらっています。)


で、最近考えていることがあります。
自分が勉強するときに「こうだったらなぁ」「ああだったらなぁ」を現実に出来ないだろうか...?と。

講習会などは都会で行なわれることが多く、交通費もかかるし宿泊費もかかる。子育て中は家を空けられない。
で、地元でできないだろうか?難しくなくても、簡単な初心者向けでもいいから近くで足を運びやすい勉強会。
そう考えて、いまなんとか勉強会を開くことができるようになりました。(もちろん全面的に協力して下さる乳腺外科の先生のおかげです。)

そして、今はオンライン上で勉強ができないか?と考えています。
いくら近くても、小さい子どもを育てているお母さんは夜の勉強会には出て来にくいかもしれません。
そこで、今は勉強会で使った資料をweb上に公開しています。
今は簡単なものですが、このさき画像をふやしてデーターベースのようなものが出来上がれば良いと考えています。
会に参加した人だけが勉強できるのではなく、勉強したい人が、どこにいても勉強できる環境が良いと思うのです。
MLで質疑応答が出来ればいいと思っています。

超音波画像とFNACの画像を対比させるだけでもいいかなぁ...と思っています。
(検診センターなので病理画像は無理なのが残念です。)

自分が勉強する時に、苦労したこと、していることを一つずつ解消して行けるといいなぁ...と漠然と考えています。私もまだまだ勉強中の身。

年の終わりですが、来年の夢です。

2010年12月6日月曜日

人それぞれ

乳癌検診には色々な人が来られます。



ウチの施設では、乳腺超音波検査は1次検診のMMGで要精査になった人が主で、それ以外に本人希望で超音波検査と言うものがあります。

検査をする前にMMGを見るのですが、特に(私には)異常所見は見あたらないこともあります。
本人に『気になるところはありますか?』と訪ねると、
「ここにシコリがあるんです」と胸を指差され、「気になるので、来ました」と言われる方もあります。
こうして、自分で触って自覚して心配だから!と検診に来られる方がいると思えば...

明らかに皮膚の色も変色して、外見でもシコリがあるのが分かる方が1次検診のMMGから上がって来ることがあります。
気がつかなかったのだろうか....? 
『いつ気がつかれましたか?』と聞くと、「何かあるのは分かっていたけれど、若い時に乳腺症と言われ、またそれだと思っていた」と...
明らかに腋窩にも転移を疑うリンパ節があることも...。
1年、半年でも早く来て下さっていたら....と思いながら検査をすることも。



こうして、検査をしていると早くに見つかるのが一番!といつも思うのですが、それにはやはり自己検診で気がついてもらえたら良いなぁ...と思うのです。


2010年12月2日木曜日

遠い国へ、こんにちは

このBlogを始めて1年半になります。

最初はどんなことを書こうかなぁ...と思いながら、初めて間もない乳腺超音波検査をしながら初心者の目線で疑問に思ったこと、感じたことを書いてきました。

誰も読む人はいないだろうなぁ..と思っていたのですが、どうやらGoogleの検索でヒットする言葉があるらしく、皆様に見つけていただいて細々と続けています。


先日このBlogの訪問者の統計を見ていてほぉ〜っと思うことがありました。
どこの国の人が見てくれているか?というのが分かるのですが、1位はもちろん日本。2位はアメリカ。日本人も多く住んでいるし...とここまでは私もフムフムと見ていたのですが、3位はなんとルクセンブルクです。「ルクセンブルク?」ってあのルクセンブルク?オランダのそばの?

遠いヨーロッパの土地で、こんな私のつぶやきを読んで下さっている人がいるのだと思うとちょっと嬉しくなりました。
日本から留学中の医療関係者かな?とか...たまたま訪れてくれたのかな?とか...


多くの人に読んでいただいてありがとうございます。
遠い空の下で読んで下さっている方も、ありがとうございます。

乳腺超音波検査にどっぷりハマってしまった一人の検査技師のつぶやきですが、どうぞ末永くよろしくお願いします。

2010年12月1日水曜日

第4回 乳腺超音波診断カンファレンス 終了






昨日第4回の乳腺超音波検査の勉強会が無事(?)終了しました。

今までの反省をふまえて、今回は超音波動画の供覧方法をプロジェクターで流しました。
今まではそれぞれの症例にPCを置いていたのですが、PCの動作が悪かったり(個人でクリックしてみてもらうので)、順番待ちで結局見ることができなかったり..と。
で、今回は先生のアイデアでプロジェクターとなりました。

スライドショーでエンドレスで流し続けたので、ゆっくりと見てもらうことが出来たようで好評でした。


会の方は3症例を滞りなく終わるはずだったのですが...
何がいけなかったのでしょう? ケーブルのせい?
病理の解説になるととたんに色が変になり...赤を認識出来なかったようで、病理画像がとても気持ち悪い青い不気味な画になってしまい、病理の先生も一生懸命スライドを作って下さったのでしょうけれど、会場全体に何とも気味悪い画像が流れ続けたのでした。
病理は色が命なのに....


ちょっと苦笑しながら会を終えました。


毎回毎回予想もしないハプニングが起こるものです。ふぅ〜


今回も医師8名技師53名 計61名と多くの方に参加していただきました。

アンケートの中で、「会を重ねて始めは全然分からなかったけれど、少し画像が読めるようになりました」と書いてあって、なんだか嬉しくなりました。

そう思ってくれる人が増えるよう、ますます頑張っていかなければ!と自分に喝を入れ直したところです。

2010年11月24日水曜日

勉強会の準備

今日は来週に行なう「超音波診断カンファレンス」(勉強会)の準備打ち合わせをしました。

早いもので、4回目です。
最初はどうなることかという感じでしたが...なんとか続いています。

前回の反省をして、会の進行をどうするか?とか。
アンケートの結果、検査をしたことがない人、今から始める人、始めて間もない人がわりと多かったので、少し説明をわかり易くハードルを下げて行こう...などなど。

今回は症例の担当もなく、ちょっと一息です。


今回の乳癌検診学会に参加して感じたことは、自治体によって検診がバラバラだということ。
個人的にはもう少し整っているのだと思っていました。
MMGも基準にあっている施設が十分足りていないとか、読影医がいないとか....
超音波検査はまだまだ医師が行なっている施設が多い。

今の低い検診受診率でもこの状態なのに、「めざせ50%!」と言っているものの、本当に50%になったら立ち行かなくなるのは目に見えているのでは?
精密検査機関、乳腺外来がパンクです。
そして、結果精度管理の行なわれていない名前だけの検診が行なわれることになりそうです。

そして、J-Startの結果で超音波検診が1次検診から入ることになれば、技師が検査を行なわざるを得なくなりますが、今の状態では技師の人数もおそらく足りません。

50%を目指すと同時に自分たち医療人の育成も同時に幅広く行なわれないといけないと強く感じました。

超音波検査を勉強するにはやはり病理結果は欠かせません。そうなると周術期機関の外科、病理の先生方の協力は必須となってくるのですが、先生方は忙しい...

このまえの学会のテストのような画像的に悪性を疑うような良性所見などに触れる機会がもっと欲しい思うのですが....。


ある一部のエキスパートだけが増えてもだめで、全体的にレベルが上がらないと意味が無いのではないだろうか...?


地域で画像診断に取り組んで行かないと限界があるような気がしています。

忙しいのは重々承知ですが、週術期機関の先生方がその地域の検診施設を育てて行く方法が、最終的には、乳腺外来のパンクが防げる一番の早道のような気がします。
検診のレベルが上がれば精密も楽になる...? 


なんて、学会以来こんなことを考えています。
(検診施設に務めるものの勝手ないいぶんかな?)


そして、こうした勉強会を開くことが地域の検診の底上げになればいいなぁ....
なんて、ちょっと大きくなりすぎましたかね?

2010年11月22日月曜日

立ち直れない? 

今日はなんだか検査をしていても気分が乗りません。
理由は分かっています。


先日の乳癌検診学会のテストです。
あの結果が頭をよぎって....



どうにか鑑別診断で点を稼いだものの...
やはり、勉強不足でしょうねぇ〜 


良性の鑑別疾患を数多く見ることはとても重要なことと改めて感じました。



同じ職場から他2名参加していましたが(会場では全く知りませんでした)、その人たちも今日は落ち込んでいました。


どうにか、明日には持ち直して行きたいと思います。


来週には「超音波勉強会」も控えていますし...

2010年11月21日日曜日

第20回 日本乳癌検診学会 終了

昨日、博多から帰ってきました。


本当に大きな学会でした。JABTSには参加していましたが、乳癌検診学会は初めて参加したのでちょっとびっくりしました。
でも、色んな職種の方がいて、ふだん聞くことが無いような話しとか聞くことが出来て良かったと思います。

検診学会ですから、やはり検診の精度の話しや、どうやって受診率を上げて行くかなどの話しもされていました。

超音波関連としては...ハンズオンをやっていましたが、予約制だったので会場に近寄らなかったのですが、どうやら、見学は出来たようで...見学すればよかった〜と思いました。
座学は予約ではなかったみたいで、こちらも残念。

MMGの Film readingとエコーのImage Interpretationをやっていました。
初日は人数制限がかかっていたのですが、2日目にやってみました。
MMGは石灰化の表が頭に入っていなくて、カテゴリーがよくわからなかったのですが、まぁまぁの結果だったと思います。
が....
エコーは悲惨な結果でした。ショックが大きくて立ち直れません。
ムムム...


スクリーニングは良かったのですが、動画のカテゴリー感度が....
う〜ん 私はどうやらカテゴリーを高めに読んでいるようです。
4のところを全部5で取っていました。
あの、動画はハローがあるよう見えたんだけどなぁ...でも、気をつけようと思いました。

解説は途中からしか聞くことができなかったので、半分分からないのですが、結構マニアックな問題でしたね。
検診センターに勤める私としては、癌と紛らわしい画像で診断名のついている良性のものは、本当に勉強になります。
私たちは、画像的に怪しければ(FNACがclass1~2でも)紹介となりますが、良性のものは...『良性』としかコメントが書いてない事がほとんどで、帰ってこないこともしばしば...
すると私たちはやはり、自分たちが出した結果を修正することができないので、同じ間違いを繰り返すことになります。
今回のテストは変わった症例をみることが出来たと言う意味で、とても勉強になったと思います。
でも、ちょっと意地悪な問題もあったかな?なんて....自分の勉強不足が身にしみます。


明日から、また気分一転がんばって行きましょう。

2010年11月19日金曜日

第20回 日本乳癌検診学会

日本乳癌検診学会に参加しています。

参加者もたくさんで、本当に大きな学会ですね。


午前中は仕事をして、午後からのセッションを聞きました。
色々勉強になります。

アメリカの先生の特別講演を聞きましたが、ナノテクノロジー...ってなんだかすごい技術ですねぇ。ちょっと難しすぎてついて行けませんでした。でも近い将来現実に実用化されるのでしょうか?

ただ、昨年11月にUSPSTEが発表した乳がん検診の推奨グレードについては、いろいろな見方が出来るとおっしゃっていたように思います。
同じ数字を違う方向から見ているだけだと...

フムフム....


ところで、この講演は同時通訳がついていました。
2年前JABTSでロンドンの先生が講演されたときは同時通訳などは無かったのですが。これはやっぱり学会の予算の関係かしら? 

片方の耳から生の英語で、片方からは日本語のサラウンドでなんだかややこしかったです。




明日もいろいろな話しが聞けますね。

2010年11月18日木曜日

生理周期とMRI

以前の勉強会で
「MRI検査は生理周期を問診等で確認して、適切な時期に行ないます。」
といった話しを聞きました。


確かに...正常乳腺も染まってくるわけで、そこに腫瘤があっても一緒に染まれば分かりにくいのか...
と思いながら、聞いていたのですが....

生理周期でお乳が張って痛い時やそうでない時..女性の体は時期によって変化します。
たしかに嚢胞も生理周期によって多少大きさは変わると思います。(分泌物のかげんかなぁ?)


で、先日外科の先生に聞いてみました。
「MRI検査のときに生理周期を確認して検査をしているのですか?」

答えは「NO」でした。

理想は確かに月経後5〜10日(だったかな?)が良いそうですが、そこまでしていられないのが現状のようです。予約枠の関係もあるし、待っていられないのも現実のようです。

なかなか難しいんだなぁ〜

理想と現実。

2010年11月16日火曜日

硬癌デー

今日は、近くの病院の乳腺カンファレンスに参加して来ました。

私の検診センターでは、ほとんどこの病院に紹介となりますので、ここのカンファレンスは外せません。


今日は全部で6症例だったのですが、なぜかすべて「硬癌」でした。


ただ、硬癌と言っても、やはり微妙に組織が違います。
超音波では後方エコーの減弱している、典型的なものはやはり病理でも線維が多く安心します。(典型的と言う意味で...)
後方エコーが増強していて、超音波では硬癌らしくないなぁ...と思っても、組織で『硬癌です。』と言われると、「えっ?」と思うけれど、画像を見せてもらうと、やはり硬癌で、でも細胞成分も多いです。中心はsolid?と聞くとそうでもなかったりして...う〜ん、奥が深い。

硬癌の(画像的に)奥の深さを感じたカンファレンスでした。


病理の勉強を本格的にしてみたくもなりました。


2010年11月15日月曜日

勉強会とカンファレンスの準備

今日は検査室内の勉強会がありました。

先日の「ブレストケアセミナー」のスライドを少し変えて、”乳腺超音波検査ってこんなことしています。”と言う話しをしました。

どの検査にも通じることだとは思いますが、自分の検査のフィードバックが大切と言うことで、病理画像と対比をして話しをしました。

ふだんは血液検査をしている人も、『病理と比べてみると面白いね』と興味を持ってくれました。

どんなことでもそうですが、目の前の問題だけをして、その後のこたえ合わせをしなければ、きっと成長はないとおもいます。

検査室の中で、超音波担当の人もそうでない人も、少しでもフィードバックの大切さを分かってくれて、それが面白いと思ってもらえたら、今日の勉強会はやって良かったと思います。


さて、勉強会の時期にもなってきました。
早いもので4回目を迎えます。
始めはどうして良いのか分からず....でも、どうにかこうにか、ここまで来ました。
勉強会も続けて行くことに意味があるのだと思いますし、多くの人の意見を聞くことの出来る良いチャンスです。

また、しばらくは忙しくなりそうです。

2010年11月7日日曜日

LaLa TV 女性外来SP

今日LaLa TVで『女性外来SP 乳がんー今、知ってほしいこと』という番組をやっていました。

司会は香坂みゆきさんで、乳腺専門医の土井卓子先生、国立がん研究センターがん予防・検診研究センターの斎藤博さん、そして乳がん体験者の山田邦子さん、医療ジャーナリストの増田美加さんなどがスタジオでわかり易く話しをされていました。

印象的だったのは、こう言った番組ではなかなか取り上げられない、検診のデメリットの話し、過剰診断の話し、なぜ2年に1度になのか?20代30代の検診はどうして行なわれないのか?なども取り上げられてました。

検診と診察の違いなど...。

超音波検査に対しては、病気の人に対して行なう検査としては優れているけれど、9割以上の人が元気な人に対して行なう検診に向いているかどうかは、話しが別。という説明は、妙に納得してしまいました。
優れた検査が、検診として死亡率を下げる有益な検査かどうかは違うということです。
分かってはいることですが、説得力があります。
今行なわれているJ-startにも少しだけ...「今検討中です」と話しがありました。

現在は標準治療ではない事を挙げ、「ラジオ波焼灼療法、集束超音波療法」についても紹介されていました。
色々な手術方法があるんですねぇ....

最後に体験者コーディネーターの人たちも紹介されていました。
いくら、医師、看護士が話しをしても、同じ体験をした人との話しは心が落ち着くようです。
不安や、悩みを共感してもらえる、分かってもらえるというのが救われるんだそうです。
スタジオの土井先生も「医療人だけではどうにもならないところがあるんです」とおっしゃっていました。色々な人がいて、まさにチームで病気に向かう感じでしょうか?

再放送があるらしいので、次は録画しようかな....


詳しくは番組HP
http://www.lala.tv/programs/womenclinic_sp04/index.html

カルテ整理

昨日仕事が終わって、少しカルテ整理をしました。


紹介先からの返事と画像をチェックしました。これをすると結構勉強になると私は考えています。


紹介先からの返事がすくないなぁ....と言うのが率直な感想。

どうしても知りたいものは問い合わせをするのですが、問い合わせとなると、なかなか難しいです。やはり、週術期機関の先生方は忙しいでしょうし...とまぁ、つい遠慮もしてしまいます。

カルテを見ていて思うのは、良性だった場合。
例えば生検の結果が「線維腺腫」に○がついて返信がされているのですが、本当言うと、この線維腺腫こそ病理解説や組織像が見たいのです。
どうして、こんな超音波画像にみえたのか?知りたいのです。

う〜ん。

カルテを見ながら、一人でうなっていました。


「線維腺腫」でも、どんな上皮成分だったのかどんな間質成分だったのか?

知りたいなぁ....


検診センターでは、知りたいことだらけです。

私だけかな?

2010年11月4日木曜日

RVS

今日はRVSの練習をしてみました。

放射線技師さんが、こんにゃくにマッシュルームを埋め込んだファントム(?)を作ってくれて、早速開始。

MRIの画像を読み込みます。
その後、位置をあわせます。

初めてのことなので、こちらもドキドキ...

どんな感じになるのかもさっぱりわからなかったのですが....



あ! マッシュルームが見えた!! 


結構面白いですね。




ただ、練習しても、これをやってみようと言われていた先生が異動してしまったので、どうなることやら....
せっかくの機能がもったいないですね。


でも、いつか役に立つときがくるかもしれないから練習だけしておきます。

2010年11月3日水曜日

腫瘤か(腫瘤)非形成か?

よく、エコーの写真を見ながら
「これは腫瘤ですか? 非形成ですか?」と聞かれます。

う〜ん....

限局性にグリッとあるものは別として...分かりにくいモノもたくさんあると思います。
辺縁を2方向で追えたら、腫瘤とするとか..いろいろありますが、厳密に分けなくてもいいのでは?と言うのがなんとなく私の感想です。
(本当はいけないのかもしれません)

病変だって、「私は腫瘤」と思って種類分けされようと思って発育しているわけではないと思うし...
あ! MMGでいうとmassとするかFADとするか?って感じ?(違うか...)

腫瘤も浸潤して行くうちに腫瘤が崩れてもいくだろうし...

勉強して行く上で、腫瘤を形成しているもの、形成しないものに分けて勉強する方がわかり易いのも確かです。
カテゴリー分類もそれぞれで診断樹があります。

どちらに当てはめるかはやっぱり大切なのかな? 


でも、きっちり線を引くように分けられないのも事実だと思います。

2010年10月25日月曜日

色んなフィルター

高性能の機械は使いこなすのが大変です。

私はまず、脂肪性の乳房なら音速を補正します。そして、腫瘤が見えたらハーモニックや、コンパウンドをさらに調節します。
石灰化を強調したいときはダイナミックレンジを触ってみたりもしてみますが....

本当にこれで、良いのだろうか?

う〜ん。


まだまだ、あります。ノイズを消したり...色んなボタンがあるわあるわ...



今日は高齢の、ボリュームのある脂肪性の乳房の方の検査で、困ってしまいました。
とにかくクーパー靭帯からまるですだれのようにシャドーが入り、どうにもこうにも....

周波数を変えてみたり、フィルターを入れたり、切ったり...
少々圧迫したら、減衰がへるかな?と思ってみたり...

結局スッキリせずに検査終了。

どうしたら、綺麗に描出出来るのでしょう? 
良い機械だけに、なんだか難しい。


日々、精進。

2010年10月24日日曜日

病理の話し

超音波検査とは...超音波を体内に入射し、物体に当たったところで反射して返ってくる波を画像にしたものです。(簡単にいうと)
モニターにそれっぽい絵が出るので、なんとなく本物を見ているような錯覚に陥りますが、あくまでも虚像です。

例えば、肝臓の脂肪肝も白っぽく見えるのは、脂肪がのって白く見えているのではなく、肝細胞に脂肪が付くと不均一な反射がそこで起こっているため白っぽくみえるのです。
(なんだか、ヘタくそな解説ですね。すみません)

で、乳腺超音波ですが...例えば腫瘤の中にcysticな部分が見えた。でも、それは均一なものがぎっしり詰まっているわけで、水分かもしれないけれど、細胞がぎっしりかもしれない。

色々なものが混ざっていたら、反射が起こるので白っぽく見えますし...


でも、これもあくまでも虚像。映し出されているものは、超音波の反射したものを画像にしただけ...


そして、こたえは病理。

どんなに超音波で、こんな風に見えた!と思っても、やっぱり病理で確認して答合わせをしないと進歩はないと思うのです。
超音波検査と病理検査。裏と表で遠いようで近い検査かもしれません。


超音波検査室から飛び出して、病理検査室にも行ってみましょう。

案外新しい発見があるかもしれません。

2010年10月23日土曜日

ブレストケアセミナー

今日はブレストケアセミナーがありました。

乳がん診療に携わるスタッフの育成と言うテーマで、私は超音波検査を行なう検査技師代表という立場で話しをしました。

アンケート結果では、放射線技師や細胞検査士に比べると、育成という意味では乳腺超音波検査はまだまだ医師の手によって行なわれている施設も多いようです。

今は、検診をやっと検査技師の手によって行なわれ始めた...と言うところかな?と思います。

これから、どんどん人材も増えて、伸びてくる領域になることは間違いないと思います。


色々な職種の人の話しを聞くことが出来て、とても勉強になりました。




ところで....今日の発表ですが、私のMacのせいなのか? デュアルディスプレイというか発表者ノートがうまく設定できませんでした。
う〜ん。
ノートが見えないので、ちょっと、焦りました....

2010年10月20日水曜日

超音波認定技師

先日、ある医師から

「超音波認定技師が少ないのはどうしてだと思いますか?」
と聞かれました。

検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師は各施設揃っているけれど、超音波認定技師が思ったよりも少ない事を不思議に思っていらっしゃいました。

う〜ん....


なぜでしょう? 

まず、超音波検査は独占業務ではなく、今まで医師が行なう施設が多かったと言うことでしょうか? 検査技師が行なっていないのは、検査者の力量で結果が変わることも原因の一つかもしれません。

JABTSの実力試験は受験資格と言うものはありませんが、日超医の認定試験は超音波医学会もしくは超音波検査学会に3年以上の在籍が必要となり、検査室内でローテーションなどあれば難しいのでしょうか?
また、近くに認定医がいなければ、推薦状を書いてもらえませんし...

かく言う私も、認定は持っておりません。(超音波検査を初めて3年、今年度やっと在籍年数の資格を得ました。)
表在領域は...乳腺は検査をしていますが、甲状腺、唾液腺、耳下腺などの検査は行なっていないので症例提出が難しい....
どこかの病院に研修、実習に行かないといけません。

なかなかハードルが高いですね。

近年、健診領域が出来たのでそちらで受験は可能ですね。


認定は超音波の基礎、臨床などの試験なので知識として大切なことです。
JABTSは静止画、動画の読影試験と言うことでやはり大切なことで...両方資格があると一番いいのでしょうね。



表在領域ではなく、乳腺領域、甲状腺領域に別れたら、もう少し認定をとる技師が増えるかも? どうかな? 

2010年10月16日土曜日

よかった

先日、ちょっと嬉しいことがありました。


午前中は人間ドックの腹部エコーをやっています。

カルテを見た時に、名前に覚えがあるな...と思ったのですが、はっきりとした記憶ではありませんでした。
検査を始めると、
『去年こちらで乳がんを見つけていただきました。自分でも自覚症状が無かったので、びっくりしましたが、早かったのでこうして今元気にしています。』
そう言われました。

そこで
!! 

思い出しました。


その方は、私の顔を覚えて下さったみたいで、検査が終わってからも
『おかげさまで、命を頂きました。ありがとうございました。』
と言われ、深々と頭を下げて行かれました。


検査をやっていて良かった...と心から思いました。



こんな人が一人でも増えるように、日々の学習を頑張ろうと思いました。

2010年10月13日水曜日

雲で遊んでみました

札幌でたくさん空の写真を撮りました。


ちょっと、雲であそんでみました。  


もしよかったら、いかがですか? 

マーサのつぶやき

嚢胞内腫瘍 vs 腫瘤内嚢胞変性

検査をしていて、失敗...というか反省する事がありました。


若い40代の女性で、『2㎝くらいの大きなしこりがあります。』と、触診の先生から急遽検査の依頼がありました。
MMGを見ると、微細石灰化を伴う腫瘤が写っています。濃度はそこまで高濃度でもありませんでした。でも、明らかに悪性を疑う画像でした。

....で、検査室に患者様に入ってもらって...私も検査の前に触診をさせてもらっています。
!? 
可動性良好です。

で、検査を始めると...大きな2㎝ちかい等〜低エコーの腫瘤が描出されます。
内部不均一。
嚢胞変性を起こしているな....と考えながら検査をしていました。
後方エコーはかなり増強しています。境界は明瞭、ハローはなく、前方境界線も圧排のみ。

粘液癌かな? 

充実腺管癌かな? 

でも、可動性が良好で...線維腺腫? 

おやおや? 

と思いながら、報告書を書きました。



FNACをすると血液が引けました。


検査のあと先生と話しをすると、このような石灰化をみたら悪性ならまず、comedoを疑う。
おそらく急に大きくなったのは出血した血液がたまったから。
『DCIS、嚢胞内腫瘍だと思うよ。』といわれました。

あ! 
言われて、そうか....
嚢胞変性と思い込んで検査をしていました。なんだかしっくりこないなぁ...と思っていましたが、嚢胞内病変だったのか!! 

検査の途中で頭にも浮かばなかった....
最初に思い込んでしまって、嚢胞内腫瘤が頭に浮かんでも来ませんでした...

反省。


大きく反省しました。  
教訓にしたいと思います。

2010年10月12日火曜日

アメリカの分類、日本の分類

先日のJABTSで、あるセッションでのことです。

BI-RADSと日本のカテゴリ分類について議論がありました。

私は、あまりBI-RADSに詳しくないのですが、アメリカで出来たものでカテゴリ分類に対応してその後の検査、対応の仕方などが振り分けられていくもの...?だったかな? 

日本との決定的に違うところはC3は良性で短期間のフォロー、日本の場合は良性〜悪性を疑うものまでと幅が広く、要精密検査対象となるところ。そしてC0があるところでしょうか。

このC0とは....
この検査だけでは判定する事ができず、次の検査が必要と言うもの。


ざっと、こんな感じ...だったと思うのですが、このBI-RADSにあわせるべきだ。という意見と日本は日本の医療に即したカテゴリ分類をという考え方と...

MMGのカテゴリ分類は定着もしているし、変えるのも難しそうですが....

もし、海外に発表する事を視野に入れるのなら、BI-RADSの方が良いんでしょうし。


よくわかりません。
難しい問題ですね。


そう言えば、エコーで使うSTCも日本独自の言葉のようです。
TGCが欧米では一般的だそうです。

もし、海外の学会に発表されるのでしたら、TGCで。

2010年10月11日月曜日

JABTS25 追加



会場の写真撮ってみました。





綺麗な会場でした。


隣のホールではなにやらダンスの大会も行われていました。
綺麗なドレスが展示してありました。


そう言えば、2012年の超音波検査学会はここで行われるようです。


また、来る事ができるかしら....? 

2010年10月10日日曜日

JABTS25 終了

終わりました。


1日しかなかったので、内容が濃かったですね。

いやぁ...勉強になりました。


色々聞いて感じたのは、やはり最近の高性能の機械の画像をどうするか?ってことが多かったように思います。
スポンサード・セミナーでもありましたが、各社いろいろ開発して色んなフィルターがかかっています。
ハーモニック、コンパウンド、音速補正....
これが普通に入っているわけで、でもどれが本当の画像なのか?
今まで見ていた画像が本当なのかどうかも解らないし...
このフィルターがかかった画像が嘘かっていうとそれも解らない....

画像を判断していく上で、今まではアーチファクトと呼ばれるものを利用して内部構造を想像していたわけですが、フィルターをかけるということは、そのアーチファクトをなるべく少なくして見ると言う事にもなると思うんです。
すると、今まで見ていた後方エコーが変わってくると思うし....
見るものによってフィルターのON OFFも大切かと思うけれど、高性能の機械で検査をすると今までの診断基準では当てはまらなくなってくるものもあるのかなぁ...なんて考えたりして....


難しいですね。


技術の進歩。

使う人間が、キチンと理解して使わないといけません。



明日も朝会議があって、午後の飛行機です。
結局札幌観光は出来ませんでした。


今度は仕事ではない時に来れたらいいなぁ....

2010年10月9日土曜日

札幌!

やって来ました。 札幌! 


明日からのJABTSのために、はるばる西の果てからやって来ました。


たくさん勉強できるかな?
聞きたい話しがたくさんあります。

2010年10月8日金曜日

愛おしい機械

新しい機械が入り検査を始めています。

まだ、慣れないのでサクサク検査をすすめて....と言うわけには行きません。



先日も、他の技師が新しい機械で検査をしていましたが、慣れないので時間がかかり古い機械でヘルプにまわりました。



週の初めに新しい機械で検査をしたばっかりだったので、古い機械で検査をすると差がついちゃうなぁ....なんて思ったのですが、いざ検査を始めて見ると...


そうは言ってもこの機械も見えるじゃない! 

と、なんだか愛おしく思えて来ました。


フルデジタルじゃないけれど...
エラストもないけれど...
音速の補正なんてないけれど...


今まで頑張ってきた機械だもの。

お疲れさま。

2010年10月4日月曜日

ついに新しい機械! 

今日は乳腺超音波検査の当番でした。

そう! 新しい機械です!! 


今日はまだ、インストラクターさんが付いてくれています。
検査をしながら、画像を作っていきます。

音速の補正、コンパウンド....調節するところはたくさんあります。

でも、やっぱりキレイですね。よく見えます。


脂肪性の乳房は音速の補正をしてやるとこんなにも見え方が変わるのですね。



あとは....エラスト。

今までの機械になかったので、講習会などでやったことがあるのみで...
難しいです。
上手く評価できる画像を作るためには、まだまだ修行がたりません。


でも、やっぱり良い機械は検査をしていても楽しいです。

2010年10月2日土曜日

第25回 JABTS 札幌

JABTS 25 札幌の抄録が届きましたね。

パラパラと見ていると、聞きたいものばかり。
あれ、この時間...あっちも聞きたい、こっちも聞きたい! 


超音波検査は一人で行なう検査で、独りよがりになりがちです。
こうして人の意見を聞いて自分の考えを再確認する良い機会です。
多いに勉強させてもらいましょう。

JABTS25のサイトはこちら...


http://nyusen.saturingi.gr.jp/jabts/index.html

2010年10月1日金曜日

石灰化 悪性?良性?

先日、MMGで石灰化を指摘され超音波検査を受けにこられた方がいらっしゃいました。
多形性不均一な石灰化の集蔟と思われます。カテゴリーは4


見たとたん、やや....

う〜ん


超音波検査を始めると同じ位置に、低エコー域に集蔟した石灰化。
点状...と言うよりはやや大きいかな?でも粗大とまではいかず...
シャドーは引いてません。

腫瘤は描出されません。


ややや...

悪性の石灰化の印象より何となく弱い感じ....
ムムム

もしかして、FAの石灰化の出来る途中? 
それなら、背景に腫瘤が描出されるか....

いろいろ考えながら、出した答えはDCIS、乳頭線管癌疑い

穿師吸引細胞診の結果はクラス2 

おや? 



ちゃんと取れていたのかな?

良性ならFAの粗大石灰化になる途中の段階? ???? 

ムムム


再検査かな? 
気になる所見でした。

2010年9月30日木曜日

新しい機械がやってきた!

昨日の夕方新しい超音波の機械がやって来ました。
エラストで有名なあの機械です。
(個人的には石灰化で有名な方が好きでしたが...)
結局設置に時間がかかり、初お目見えは今日となりました。

機械の高さがかなり下まで下げることが出来るので、ちびっ子の私にとっては助かります。
今まではかなり首に負担がかかっていたと思います。


仕事を終えて、説明を聞きます。

色々な機能が付いているなぁ....
画像の設定が大変そうだなぁ...
でも、よく見えるだろうな...


色々思いながら、でも楽しみです。

2010年9月29日水曜日

しこりに気がついたら....?

私は乳腺超音波検査の前にお乳を触らせていただきます。

で.....

明らかにシコリがあるときがあります。
患者様も「ここにシコリがあるのよ」と言われます。


『いつごろ気がつかれましたか?』と聞くと
「○ヶ月くらい前かしら? 」とおっしゃいます。
『.....』

シコリに気がついてもなかなか病院に行ってみようと思わない人もいらっしゃいます。
ついつい主婦は自分のことが後回しになりがちです。


検査が怖いから、シコリに気がついても病院に行かないという人もいらっしゃいます。




しこりに気がついて、その後どうするでしょう?
すぐ病院に走る人と、怖いから行かない人と。

でも、最終的には行くことになるのなら早めに行った方が良いのですが、なかなか難しいようです。



2010年9月28日火曜日

第3回 超音波勉強会 終了

先日第3回の超音波勉強会が終了しました。

当日は雨も降って足下も悪かったのに、前回同様80名集まっていただきました。
これは、かなり責任重大です。

今回は外科の先生を招いて『超音波検査のためのMMG読影』という講義をしていただき、大変好評でした。
我々検査技師にとってMMGはまったく未知の世界ですから...
場所の特定さえ難しいものです。

乳房全体のスキャンは前提ですが、MMGで石灰化を見た時にピンポイントで捜していく。場所が特定できなければ、わずかな変化というのは捜せないこともあります。
難しくさせているのはMLOという撮影方法で、少し斜めに挟んでいるために乳頭よりも上の病変が乳頭よりも下に映し出されていたりして...そうなると、どこを探せばいいんだか....?
こんなことがよくありました。


症例の解説も超音波経験の長い人〜ない人、色々なのでどこにターゲットをしぼるのかが難しくなかなか上手く行きません。
自分の中では55点。
なかなか100点満点にはなれません。


こうして、勉強会で乳腺検査が盛り上がっていけば良いなぁと思います。

2010年9月26日日曜日

乳癌学会 地方会

地方会に行って来ました。

乳癌学会はおそらく医師がほとんどで治療や診断、予後などの話しが多いです。
いつもは検査関連の会に参加することが多いので、ちょっと難しい話しです。

直接自分の検査に関係のない話しかもしれませんが、乳癌と診断されてからどんな治療をしていくのか?知っていてもいいかな?と思います。

「乳がん」という病気を知って検査をするのもまた、大切なことだと考えています。


検査技師にはなかなかハードルの高い学会ですが、いろんなところに出かけて行って、多くのものを見聞きするのは自分の勉強にもなります。
学会などで珍しい症例の画像も見るのも勉強になります。


また、明日から頑張りましょう。

2010年9月23日木曜日

反省会と準備

乳腺超音波の勉強会を開始して2回が無事終わり、3回目の準備をしています。

第1回は始めてのことで、どうして良いかわからず、とにかくやって終わった...という感じでした。
第2回は何となく雰囲気は分かっていたものの参加者が倍に増え、色々な問題点も見えてきました。

で、それらをふまえての3回目です。
参加者が増えることで、声が通りにくかったりスライドが見えなかったり....
改善できるところは改善してより良い会にして行きたいと願っています。

多くの人が集まり、ディスカッションが出来るというのはとても勉強になります。

会の運営を手伝ってくれる人も増え、少しずつですが輪が広がって行く感じで嬉しいです。
大変ですが、背伸びをせず頑張って続けて行きたいと思っています。

2010年9月9日木曜日

『線維腺腫・乳腺症を極める』

今日Amazonで頼んでいた本が届きました。

タイトルは
『線維腺腫・乳腺症を極める』 乳腺良性疾患クラブに集まれ
です。
編集は、聖路加国際病院の 角田博子先生と癌研の秋山太先生です。

タイトルを見ただけで、これは!と思い編集の先生方のファンなので、すぐ注文したわけです。



線維腺腫も乳腺症も画像はバラエティーに富んでいて、悪性なのか...?良性なのか...?
悩む症例もたくさんあります。

内容は画像がふんだんに使ってあり、超音波画像(Bモード、エラスト、カラードップラー)、マンモグラフィー、病理と対比してあり、とてもわかりやすいと思います。
私が良いと思うのは、超音波画像と病理のルーペ像が対比してあるのがイメージしやすく良いと思います。
なぜ超音波でこう見えたのか...? 病理をみて、イメージがしやすいです。

これから、この本を通勤のお供にして読みこんでいきます。


少々お値段は高いですが、オールカラーでこの内容なら、安いかも...?

皆様もいかがでしょうか?




そう言えば、秋のJABTSの「組織型を極める」のテーマは線維腺腫でしたね。
これを読んで、勉強しておきましょう。

2010年9月1日水曜日

乳腺超音波検査はどこで...?

今、乳腺超音波検査に使っている機械は古くなったので、今度更新されます。
次の機械はフルデジタルで、エラストもあり...

嬉しいな! と、喜んでいたのですが...問題が上がって来ました。

今までは、古い機械で診察室の隣で乳腺専用に使っていたのですが、新しい機械を乳腺のためだけに診察室の横においておくのはもったいないと言うことになりました。

確かに...私の働いている職場は健診センターで、乳腺精密外来があるのは週に3日、しかも午後だけ。その時だけのために新しい機械を置くのはもったいない。

超音波検査室において乳腺以外にも、腹部、頸動脈エコーなどにも使えれば...と言う話しになりました。

問題は、いままで診察室の隣で検査をしていたので、検査結果のレポートには書いても、伝わりにくい所など直接乳腺外科の先生と相談しながら、または指導してもらいながら検査を行なっていたのですが、診察室と検査室が離れてしまうのは何となく不安も残ります。
受診者、患者様の導線も当然長くなります。

最初に『乳腺超音波検査は診察室の隣で!』と今の流れを考えた先生は異動でいなくなられたので、結局診察室の隣で検査をすることはなくなりそうです。


他の施設は、検査室と診察室って離れているところが多いのでしょうが、乳腺超音波検査に限ってウチの職場では医師の目の届く範囲で、指導、相談しながら行なっていました。
これはやっぱり、特別なことだったのでしょうか? 
先生の希望に添う検査が出来ると言うのは技師にとっては良い事だったなと思います。



これから離れて検査をすると言うことで、超音波画像の読影を先生がどう見られたのかを知る機会が減るなぁ...と思い、先生とのコミュにケーションも減ってしまうなぁ...と少し残念な気もします。



ただ、新しい機会で、肝臓のRVSをするかも..?と言う話しを放射線科の先生が話していたので、それはそれで少し楽しみです。
いずれは、乳腺のRVSもするのかな?

2010年8月19日木曜日

ティーカップサイン

MMGでティーカップサインがあると、それは良性石灰化です。


先日乳腺精密検査外来で超音波検査をしていた時、私は検査の前にMMGを見るのですが、これはティーカップサインなのかな?という石灰化が見られる人がいました。

これは....?
乳腺症....? 

超音波では嚢胞壁にキラキラ光る石灰化がたくさんでした。
本当に綺麗に嚢胞壁に光っています。
(DCISやコメドの石灰化とは超音波でも感じが違いました)


精密検査外来ではMMGで怪しいぞ!と言う人が超音波検査にやってくるので、なかなかこういった症例に出会うことがありません。

ティーカップサインも1次読影では見かける機会もあるかもしれませんが、精密検査ではなかなか見ることがなく、そしてその超音波検査をすることがなかったので、あのMMGが超音波ではこんな風に見えるんだ...と少し感動しました。


MMGで見えたものを超音波だとこんな感じ...と思いながら検査するのは本当に勉強になります。

今回は思いがけず、ティーカップサインに出会いました。

2010年8月9日月曜日

シコリには気がつかない? 

私の働いているところは検診センターです。
なので、「見るからに!」というすごい症例に当たることはあまりないのですが、それでもやはり、たまに「どうしてここまで気づかなかったのか?」と思う所見に出会うことがあります。




ある人は2cm近い手で触れるシコリに気がつかなかったという女性がいらっしゃいました。シコリには気がつかなかったけれど、『最近乳頭分泌があるんです』とそちらを訴えていらっしゃいました。
そんなもんなのかなぁ〜...と思い、私ももしこの仕事に携わっていなかったら、自分の胸に触らないかしら?と思ってみたり...
同世代だったので、検査中ちょっと心が痛みます。
お子さんはいるんだろうか? 何歳くらいかな?とか...
つい考えてしまいます。

もう一人は昔、右乳癌で全摘をされた方で術後1年半くらい病院に通ったけれど、その後何となく行くのを(勝手に)やめ、5年、10年経ったら大丈夫と思い込んでいらっしゃいました。
『安心して全然自分で触ることをしていませんでした。』とおっしゃいました。
左に2cmをこえるシコリです。
全く気がつかなかった...と。 

う〜ん....

考えてしまいます。


自分の胸です。
そんなに触らないものなのかなぁ〜? 気がつかないものなのかなぁ?
私はこの検査に携わっているから、そう思うだけなのかなぁ? 
意外に自分も気がつかないかもしれないなぁ....



う〜ん....

2010年8月7日土曜日

鵜戸神宮の御乳岩

4日間夏休みをいただいて、宮崎に旅行に行っていました。
旅行の様子はマーサのつぶやきでも書いていますが...
途中「鵜戸神宮」と言うところに立ち寄りました。
そこには、御乳岩という御神徳があります。

『おちち』と聞いて、拝まずに帰るわけにはいきません。
さっそく本殿までの長い道のり、長い階段を歩きました。

本殿は洞窟の中にあります。
『お乳岩→』と言う看板を頼りに歩いて行くと、ありました、ありました。





洞窟のなかに左右の乳房と思われるふくらみが2つ。そして、そこからは絶え間なく岩清水がしたたり落ちています。


ここまで来て、「おちち」に出逢うのも何かの縁。
『お乳の病気で苦しむ人が減りますように』と拝んでみました。

本来は、安産育児の信仰のよりどころのようですが....。
同じ「おちち」です。きっと聞き届けてもらえるでしょう。


言われは、長いのでここでは控えますが、この産屋で赤ちゃんを産んだお母さんが、海に戻る時に赤ちゃんのために自分の乳房を岩に押し当てて行ったと言うことらしいです。
詳しくは....
鵜戸神宮 http://www.btvm.ne.jp/~udojingu/
伝説神話アニメで詳しく書いてあります。是非ご覧ください。


夏休みでも、『おちち』に出逢ってしまいました。
検査室を飛び出しての番外編でした。


皆様も宮崎に行かれた時は是非お立ち寄りください。
車が便利だと思います。日南海岸沿いにあります。

2010年7月29日木曜日

第2回 乳腺超音波診断カンファレンス

昨日は 『第2回 超音波診断カンファレンス』がありました。

前回は約50名の参加でしたが。今回はなんと80名の参加でした。
内訳は 医師 11名 技師 64名 

乳腺超音波検査に対する関心の高さを感じました。


私の住む地域はまだまだ超音波検査を医師が行なっている施設が多く、検査技師が検査に携わっている人が少ないと思っていたのですが、これだけ集まるところを見ると、徐々に検査技師に移行しているのかもしれないな...と感じました。


さて、私は...というと....

やはり、人前で話しをするのは慣れないので緊張します。
超音波所見を解説するのですが、前回の反省もあったので、頭の中で色々シュミレーションしていたつもりだったのですが、始まるとすべてぶっ飛んでしまいました。

そして、最大の失敗は病理解説の前に組織型を言ってしまったことでしょう.....


あぁ...自己嫌悪。




会自体は多くの人が集まったおかげで、白熱したディスカッションもあり大変盛り上がりました。地元で勉強会ができるのは本当に嬉しいことです。長く続けて行きたいと思います。



まずは、反省会....

2010年7月24日土曜日

乳腺診断フォーラム

今日は近くの大学病院で年2回行われる「乳腺診断フォーラム」でした。

第20回と言う事もあって、すごいゲストでした。

癌研有明病院の秋山先生、岩瀬先生 聖路加国際病院の角田先生です。

この3人がよくこんな地方都市まで来てくださったなぁ...と言うのと、よく3人のスケジュールがあったなぁと言うことです。

とにかくこんな良い機会はないと思います。

症例検討は 癌研の症例 vs 大学病院の症例 と言う形で行なわれました。

お互い画像を初見で読んで行くと言うものです。いわゆるガチンコ勝負な訳です。
緊張しますねぇ....
画像診断のあとは、その診断結果を踏まえて、次はどうするか?と言うことですが、検査の進め方、術後の治療など病院によって多少違いがあるのですね...
癌研と聖路加でも多少違いがあるようですし、大学病院もまた違うようです。

ただ、やはり最初の画像診断をうけてどうするか?と言うところを間違えたら、どのタイミングで化学療法をするのか、手術をするのか...患者様のQOLにも関わってくるし、大変だなぁと思いました。


症例検討のあとはそれぞれの先生が「限局型腫瘤について」と題して病理、MMG、US、で話しをしてくださいました。

MMGは先日読影講習会を受けたおかげで話しもよく理解でき、良かったです。
USはやはり角田先生のわかり易い説明です。
病理もわかり易く、今回は限局型腫瘤のみだったのですが、他の講義も受けたいような気持ちになりました。

本当に勉強になる会でした。
こんな良い会に参加した後はしばらく気持ちが高ぶりますね。

2010年7月23日金曜日

カンファレンスの準備

昨日は来週行なう「第2回 乳腺超音波診断カンファレンス」の打ち合わせをしました。

まずは第1回の反省会です。
それと参加者に書いてもらったアンケートの希望や意見を見直してみました。

なんとか、この勉強会を軌道に乗せることができるように頑張らないといけません。



今日は放射線技師さんたちが主体の会で、超音波の勉強会をする。と言うことで、なんと聖路加国際病院の角田先生を招いての講演がありました。

内容は超音波検査を日頃行なっていない放射線技師さん向けに、本当に基礎のところをわかり易く話しをされてとても良い講演でした。

今超音波検査に注目が集まっている中で、やはり勉強会を盛り上げていく大切さをひしひしと感じました。
検査技師でも、放射線技師でも...とにかく超音波検査に関わる人みんなで一緒に勉強し、盛り上げていければいいと思います。


明日に向かってGO!!

2010年7月19日月曜日

MMG読影講習会終了

無事全日程を終了しました。

本当に内容の濃い、充実した講習会でした。JABTSの講習会のよう...
講師の先生方も本当にわかり易く、丁寧に教えてくださいました。

自分の持っている本を書いた先生もいらっしゃり、なんとなく(勝手に)親近感を持ってみたり。



さて、講習の後半は読影試験もありまして....100題です。乳房は左右あるので、結果的には200題。MLOだけのものと、CCもあるものと..
ふだんフイルムを見慣れていない私たちにとって、なかなかキツい作業ではあります。
集中力も途切れそうになります。
JABTSは自分のパソコンで自分のペースで出来るのですが、フイルムが並べてあり、その前を受講生が移動するわけです。空いているところを捜して行なうので、読み抜かしがあったりしてなかなか大変な試験です。

これを放射線技師さんや医師は受けているんだなぁ....


結果は感度88.4% 特異度82.8% C感度81.4%  B-1の評価をいただきました。

Aにはほど遠いですが、まずまずの出来で、自分としてはよく出来たのではないかな?と思っています。

特異度が低いですね。 答え合わせの結果、FADを拾い過ぎでした。
正常乳腺とそうでないもの...まだまだ修行が足りませんねぇ....


今回のこの講習会は講師の先生方も丁寧にわかり易く説明してくださって、本当に受けて良かったと思います。

MMGを見て検査をする以上、やはりキチンと所見を読めるようになりたいと思います。
ただ、漠然と超音波検査をするのではなく、MMGのどこを見て、どんなことを疑っているのかを理解した上で検査に望むのは、改めて大事なことだと感じました。

超音波検査をするのだけど、超音波の勉強だけするのではなく、MMG、MRI、病理、細胞診などなど....いろいろ勉強するのは良いと思います。
そうすると、明日から超音波の見え方が変わってくるかもしれません。

2010年7月18日日曜日

MMG読影講習会

今名古屋に来ています。

超音波検査従事者のためのMMG読影講習会に参加するためです。


1日目は無事終了。

一言で言うと、結構ハードでした。でも、楽しい疲れでした。
MMGは本当にきちんと習ったことがなく、漠然と見ていただけでした。
乳腺外科の先生の読影を見学させてもらったり、質問したりはしていましたが、自分のなかできちんと整理されていなくてバラバラでした。

今回この講習会に参加して、少しでも整理できれば良いと思っています。


しかし! 大変だ!! 


腫瘤はかえってよくわからなくなってきました。
massなのかFADなのか?

逆に今までよくわからなかった「構築の乱れ」が好きになりました。
(好きだからといって、分かるかどうかは別ですが....)


明日のグループ講習は石灰化。


今日も目からたくさんウロコが落ちました。明日も落ちるかな?
疲れたけど、楽しい、面白い疲れです。


明日も頑張ろ。

2010年7月17日土曜日

ジレンマ

私の職場では乳腺の検査はMMG、MRI、超音波、そして穿師吸引細胞診ができます。

MMGで引っ掛かった人は超音波検査を行い、疑わしい場合は細胞診の検査となるわけです。
CNB、MMT などは出来ません。

悪性となった場合、もしくはそれ以上の検査が必要な場合は紹介となるわけですが、紹介状の返事ってなかなか帰ってこないのです。

返ってくるのは、まず、「受診されました、検査を行い結果は後日連絡します。」という内容の受診報告が最初に送られてきて、その後どうなったか...?の結果は送られてこないことがあります。

あとは、結果が送られて来ても「右もしくは左乳癌」とだけ書かれていて、

『出来たら組織型も知りたいなぁ....』なんて思ったりもします。

本心を言うと、病理画像も見たい!! なのですが、そこまでは言いませんが...
せめて最終病理診断を教えてもらえるとこちらも勉強になるのですが...


他の検診機関の方はどうされているのでしょう? 


今日も先週の細胞診の結果を受けて、自分の思っていたのと少し異なる結果でした。
私は乳頭線管癌、もしくはDCISを疑って報告書を書いたのですが、細胞診の結果は多数のリンパ球を背景に悪性細胞が見られると言うものでした。
リンパ球...と聞いて思い浮かべるのは「髄様癌」
ムムム
....

超音波検査をしながら1点気になっていたのが、不整形低エコー腫瘤のそばにモコモコした小さな高エコーの塊の様なものがあり、なにかなぁ...?と思っていたのですが、リンパ球の浸潤だったのかな? おや?

細胞診の部屋に行って顕微鏡を見させてもらうと、確かにリンパ球だらけで、上皮成分が少ない。細胞診の人の話しだと細胞の感じが「小葉癌」のようにも見える...と。


う〜ん。

小様癌のリンパ球浸潤...? 


こんな風に悩む症例は、やっぱり病理画像が見たいと思うのです。
なぜ、エコーでこんな風に見えたのか、知りたいのです。


病理検査を行なっている施設で検査をしている人がうらやましい!! 


周術期機関の先生方には紹介元の検診センターに、是非病理結果を詳しく書いて返してもらえると、検診センターで働く技師の励みになるんだけどなぁ...。


検診センターの検査技師のジレンマです....


知りたい気持ちが高まって、勉強会ごとに総合病院の技師さんに声をかけ友達になろうとしています。出来れば病理学会などに参加して、病理検査室の技師さんと友達になれたら良いんだけど....(ナンパ?)


他の検診施設の皆さんはどうされているんでしょうねぇ?
自分の行なった検査へのフィードバック...

2010年7月14日水曜日

素朴なギモン

以前ここでも書きましたが....


米国予防医学専門委員会の発表した40歳代のMMG検診の推奨グレードが下がった話しですが....


検診を受けても利益(死亡率の減少効果)が不利益(精検の結果がんではなかった人に対する不要な検査など)が上回る度合いが40歳代は50歳代に比べて少なかった...と言う話しだったと思うのです。


これをうけて乳癌検診学会のサイトに学会の見解が出されています。
アメリカのデータに基づいたもので、日本でそのまま適応はできない。
日本の不利益データが不足しているためデータ収集が急がれる...などなど


詳しくはサイトをご覧ください
日本乳癌検診学会 http://www.jabcs.jp/



で、ここでちょっと思ったのですが....ここからは、上の話しとズレますが..

アメリカ在住の日本人、日系人はどうなのでしょう? 
検診の適応はアメリカに住んでいる以上アメリカのものに従うとして(おそらく保険会社などの適応も)... それよりも疑問なのはアメリカ在住の日本人(アジア人種)は40代〜50代に乳癌が多いのか?それともアメリカに長く在住していれば欧米人のように高齢者に増えてくるのでしょうか? 

以前糖尿が専門の先生が北米検診に行かれた時に、アメリカ在住の日本人に対して検診を行なったそうですが、同じ年齢で比べると日本に住んでいる人よりもアメリカ在住の人の方が糖尿病の発症率が高いそうです。 まぁ、それは糖尿病が食生活に起因するところが大きいせいと思いますが....

乳がんのリスクは食生活だけではないので、何とも言えませんが、食生活や生活スタイルが変わると人種をこえてその土地の人と同じような体質(?)に変わるのでしょうか? 
すると欧米にすむ日本人は....? 


なんだかややこしくなって来ましたが、何でも欧米化。 
発症年齢も欧米のように高齢化して行くのでしょうか?

2010年7月5日月曜日

わずかな不安

先日、乳腺外科の先生の異動がありました。


私の職場は検診センターで、近くの病院から週に3回非常勤という形で来られていました。
技師の指導に熱心だった先生が他の施設へと異動されたので、うちの職場には新しい先生が来られるわけです。



われわれ超音波検査技師はやはり医師の指導と信頼があってこそだと思うのです。
超音波検査というのは、誰が行なっても良いわけです。
医師によっては、「自分でやったものでなければ信じられない」といって技師に検査をさせてもらえないこともあります。
それはレントゲンと違って超音波検査は独占業務ではないし、検査が客観性に欠けるからだとおもうのです。検査をした人が異常がないと言えばそれまでです。

だからこそ、医師と同じ判断が出来るように指導してもらい、自ら勉強し信頼してもらえる検査が出来るようにならなければいけないのだと思います。


そうして自分の病院のカンファレンスにも院外の私たちを呼んでくださり指導していただいた先生がいなくなると、少し不安に感じます。

病理結果が分からなければ、超音波検査のフィードバックが出来ないので上達しないと思うのです。


われわれコメディカルは医師によって大きく左右されます。
検査室に通ってくださる先生がいらっしゃれば頑張ろうと思います。
でも、どんなに頑張っても検査のデータを信用してもらえないとモチベーションも下がって来ます。



今回の医師の異動では何となく、将来にわずかな不安を感じています。


いくら自分で頑張ってもどうにもならないことはあります。

2010年7月3日土曜日

女性化乳房

乳腺超音波検査をしていると、時々男性の患者様もいらっしゃいます。

そのほとんどが前立腺の治療中です。
前立腺がんの内分泌療法で女性ホルモンを服用されていらっしゃいます。

検査のときに、話しを伺うと大体痛みを伴うといわれる方が多いです。
ちょうど思春期の胸が膨らみかけた頃の女の子も同じだと思います。(かすかな記憶...)


前立腺癌も治療し、これで乳癌も....と不安に思う方もいらっしゃいます。
たいていは女性化乳房です。
女性化乳房症とは、男性で何らかの原因により、女性ホルモンのエストロゲンと男性ホルモンのアンドロゲンの不均衡が、本来なら萎縮しているはずの男性の乳腺組織の増殖をうながして乳房が病的に増大したものと考えます。

男性乳腺は乳頭直下にわずかに存在するのみで、小葉はありません。
なので男性には小葉癌は発生しません。線維腺腫、嚢胞、腺症など良性乳腺疾患も小葉の病気です。
乳腺が薄いので浸潤癌は容易に他の組織へ浸潤してしまいます。

男性が来られた場合は、そのほとんどが「女性化乳房症」ですが、男性乳癌もごくわずかに存在します。気をつけて検査しなければいけません。

「きっと女性化乳房症だ...」なんて決めつけて検査していると、大変です。


以前、患者様の名前を呼んだら男性が検査室に入ってこられ、再度カルテを確認したら『男』と書いてありました。名前も女性でもいい感じの名前だったのですが....
カルテは検査前にきちんと隅々まで目を通して、既往歴、性別なども確認して検査に望まなければいけません。(当たり前ですね....)
乳腺超音波検査には男性患者様もたま〜に来られます。

待合室は女性だらけなので、肩身が狭そうにしていらっしゃいますが....

2010年6月26日土曜日

一般検査室へ

いつもは生理検査室で心電図検査をしたり超音波検査をしたりしていますが、昨日は一般検査室へお手伝いに行きました。


というのも...6月24、25日は札幌で日本乳癌学会があり乳腺外科の先生がお休みで、乳腺精密検査がお休みだったのです。

で、一般検査室で人が足りないのでお手伝いがほしいと言われ、行ってきました。


4年前までは尿検査もしていたのですが、機械もシステムも変わりなかなか大変でした。
間違えないように、慣れない検査室で一つ一つ確認しながらデーターを流して行くのはなかなか緊張します。
検尿コップを受け取り、テストテープを浸けて結果を出します。


昨日は機械に慣れるのが精一杯で尿沈渣までは見ることが出来ませんでしたが、次の時はそちらの検査もしたいなぁ...なんて思いながら検査室を後にしました。


尿沈渣とは....?
尿を試験管にいれて遠心分離機という機械で高速にまわし、中にある細胞成分を分離してそれを顕微鏡で見る検査です。
赤血球や、白血球、尿細管上皮成分など見ることができます。
赤血球は変形しているものの形から部分から出血しているかなどが分かったりもします。上皮細胞もいろんな種類があり乳細管のどの部位か(遠位、近位)がわかります。 
形態は好きなので顕微鏡をのぞくのは好きです。


いつもとは違う検査ですが、同じ検査室内の仕事です。


今日は乳腺超音波検査室よりを変更して、「尿検査室より」でした。

2010年6月22日火曜日

雲とガレ

『どうして乳腺超音波がすき?』と、あるひとに聞かれました。

乳腺の超音波は、私にとっては、まるで空の雲を見ているようです。
休みの日に公園に行ってゴロンと寝転がり空を見上げるのは大好きです。

乳腺の豹紋様なのは、流れている雲のようです。
雲の流れが途切れたところに、腫瘤があると思うのです。


乳腺の検査を勉強し始めた頃は、空を見上げて雲を見ては「充実腺管癌だな」「乳頭腺管癌だな」と思ったり...


それを言うと

『へ〜 雲ね〜  そう』

と言われました。


ついでに、『MMGはエミール・ガレのガラス細工に見えませんか?』
と言うと絶句。


共感してもらえませんでした。

美しいと思うんだけどなぁ....
だめかなぁ? 

雲の流れと、エミール・ガレ....

共感してもらえる人は、いないようです。

2010年6月20日日曜日

経験が足をひっぱる!?

今MMGの勉強中です。
読んでいる本に「素直な人が、上達が早い」と書いてありました。

そう言えば、以前「MMGを見るときは少年のような気持ちで」といわれた事があります。
...少女でも良いのかな?


きっと乳腺超音波検査も同じですね。

乳腺超音波検査はプローブを軽くもって押さえつけず、まっすぐに垂直にビームを入射します。
この『まっすぐに』というのが意外に難しいのです。
特に他の領域の検査が長ければ、長いほど...
腹部では押さえたり、プローブを倒したり...
乳腺の検査でこれをやってはいけません。

押さえたり倒したりすると、画像は変わります。硬癌などは見落としてしまう可能性もあります。

他の領域でスペシャリストであるがゆえに、その知識が邪魔をし、そんなはずはないと思ってしまうのでしょうか?

先日JABTSの講習会のお手伝いに行きましたが、「超音波検査をやり始めて経験があまりない人の方が、きちんと勉強すれば上達が早いです」とある先生がおっしゃっていました。

超音波経験が少ないといろんな事を素直に受け入れることができるのかもしれません。
超音波はこうあるべき..という考えが少ないのかもしれません。
病理画像も、他の検査も素直な気持ちで見ることができるのかもしれません。


もちろんすべての領域においてスペシャリストはたくさんいらっしゃいます。


要は、プローブを持ち替えた時、頭もキチンと切り替えて検査が出来れば良いということだと思います。

2010年6月16日水曜日

フォーカス

超音波の検査をする時にとても大事なのが『フォーカス』です。

検査を始める時、患者様の乳腺の下部あたりにフォーカスを合わせて検査を始めます。

...でも、フォーカスはそこで固定して検査するわけではありません。
関心領域に合わせるため、常に動かします。


例えば、腫瘤の前方境界線が見たければそこにフォーカスを合わせます。
もちろん確認したあとは、元に戻します。

フォーカスポイントよりも下は、とたんに画像が悪くなるので見逃しにつながります。

プローブを持っていない方の手は、常に動かして、良い画像を作って写真を残すようにしたいものです。
フォーカスが変わると、とたんに見え方が変わる患者様もいらっしゃいます。

2010年6月14日月曜日

20〜30代の乳癌検診の有用性

今日のCareNetの配信で 「乳がん検診 若い人は必要?」という記事がありました。

TBSのドキュメンタリーや映画にもなった「余命1ヶ月の花嫁」で反響を呼び、20〜30代に限定した乳癌検診キャンペーンが展開されているようです。

が...これに見直しを求める意見書が医療関係者から出されたようです。


確かに20〜30代の若年性乳がんがあることは間違いありませんが、20〜30代に限定した乳癌検診を行なうのは?です。
若い人は乳腺も豊富なので、高濃度でMMGでは真っ白でたとえ病変があっても確実に発見できるとはいえず、むしろ乳腺が豊富なために被爆量は増えるので、かえって悪い影響が増えるようにも感じます。


テレビや映画というのは与える影響が大きい媒体なので、正しい情報を発信して検診受診率が上がれば良いと思います。

正しい検診が行なわれてこそ、乳がんによる死亡率も下がると思うのです。

2010年6月9日水曜日

前方境界線ってなんだ?

乳腺超音波検査をする時に、よく聞く言葉『前方境界線』というのがあります。


この「前方境界線」とはなんでしょう?
JABTSのガイドラインによると...
「浅在筋膜浅層は乳頭直下で翻転し乳腺組織を包み込むような構造になっている。皮膚脂肪と乳腺組織の境界部にはこの膜が存在し、乳腺の前方境界線を形成している。 前方境界線を形成する膜はクーパー靭帯とも連続しており...」
とあります。
また、こうも書いてあります。
「乳腺とその周囲組織との境界線を乳腺境界線といい、皮膚方向を前方境界線、反対方向を後方境界線という」

病理組織的には「前方境界線」という名称のものはないそうですが、乳腺の外膜、線維性の結合組織を指していると思われます。

「こんな線はないので私はこの言葉を使いません」といわれた先生もいらっしゃいました。



時々、検査をしていて分からなくなるときがあります。
乳腺がはっきりとしている若い女性などは、この境界線ははっきりわかると思うのですが、いわゆる脂肪性の乳腺で「?」と考えることがあります。
乳腺は退縮していき脂肪性となり、どこに境界線があるのやら? 
脂肪と乳腺が入り交じってどれが境界線だか...? 


悩ましい...

2010年6月8日火曜日

超音波検査従事者のための読影講習会

私の施設では、超音波検査の時にMMGを一応確認します。


一応....です。


一次検診はMMG検診ですから、どこが引っ掛かったのかを確認して検査に入ります。
でも、臨床検査技師ですからMMGをきちんと習ったことがないのです。
独学というか、自己流というか...見よう見まねなわけです。


超音波検査をしながらMMGもきちんと勉強したいなぁ..と思っていました。
そして、精中委のサイトで見つけたのです。
『超音波検査従事者のための読影講習会』

これは!と思い申し込みました。...で、今日その案内のメールが来て、ちょっとびっくり。

当たり前ですが、本格的です。
本格的すぎてちょっと腰が引けてしまいます。

この講習会、放射線技師用じゃないよね?と思うくらい。
ガイドライン、拡大鏡、そして撮影フイルム持参....
う〜ん...早まったか? 

確かにキチンと勉強したいとは思っていたのだけれど..ここまですごいとは。

でも、やるからには、やはり正しい知識を身につけて検査に望みたいと思うので、ここはひとつ勉強してこようと思います。(受講料が高いなぁ...)

考えたら、JABTSの講習会も同かな...


講習会まであと1ヶ月。
乳腺外科の読影ASの先生に鍛えてもらわなければ....


ガンバルゾ!! 

(気合いだけは一流...)

2010年6月7日月曜日

ICLってなんだ?

先日超音波検査をしていて、「乳頭線管癌もしくはDCIS疑い、鑑別診断は乳腺症」と所見を書き細胞診となった患者様の結果が出ました。


細胞診の結果は...結合性が低下し核の大小不同が目立ち、ICLを伴い、乳管癌のほかに小葉癌の可能性もあるとのこと。

ICL...細胞質内腺腔:硬癌や小葉癌に見られるらしいのですが....

う〜ん。
私が思っていた組織型とちょっと違うなぁ...
私が気になったのは、低エコー域(腫瘤と言えるか?)の内部に小さな管腔の様なものが集蔟して見えたのが気になったので、乳管内成分が多いと思ったのですが...
硬癌や小葉癌のように後方エコーは減弱した感じもなく、どちらかというと線維成分は少ない印象だったのですが...
細胞もバラバラに出て来ているらしいし、小葉癌なのかなぁ....

あくまでも細胞診の推定組織型なので、病理の最終診断を待ちたいと思います。


う〜ん。


ICLかぁ....

2010年6月5日土曜日

グループの作成とML

今週始めに長く付き合いのあった医師が亡くなりました。
とても楽しい先生で患者様にも人気のある気さくな先生でした。
享年56歳。

今週はそのせいで、落ち込んでしまい気分がなかなか前向きになれなかったのですが、そうも言ってられないので、また少しずつ始めたいと思います。


先月行なった超音波勉強会の参加者などを中心にGoogleでグループを作りMLを作成しようと考えていたのですが....
グループを作ったものの...いまいち使い方がまだよくわからず...。
なんとか招待状を送る所まで完了しました。

将来的にはグループで画像などアップロードしてディスカッション出来れば良いなぁ..なんて考えていますが、はたしてそこまでできるかどうか?


まずはGoogleグループの使い方を極めなければ.

2010年5月29日土曜日

ハローってなんだ!?

乳腺超音波で『ハロー』と言えば腫瘤の周りにある「高エコー帯」と言うことになっています。
腹部領域ではその逆で「辺縁低エコー帯」と言うことになり、ちょっとややこしいですね。


じっさい「halo」は観音様の頭部に光っている後光のことを指すんだとか...?



で、乳腺領域のハローですが、腫瘤のまわりに癌細胞などがバラバラと浸潤し、その後方散乱によりエコー輝度が上がることによって高エコーに見えるというものだと考えています。
なのでこのハローが見られると浸潤を考えるわけですが....
先日病理画像と比べている時に、腫瘤の周りにリンパ球の浸潤が起こって、それが超音波画像で辺縁が高エコーに見えるというものがありました。

この場合、ハローはあるのですが、いわゆる癌細胞の浸潤ではなくリンパ球によりハローが出来た。ということになります。
で、これは病理学的には浸潤ではないということになります。

とても興味深い所見だと思いました。そしてますます病理が面白いと感じました。
超音波の基本の物理の知識も必要だと感じました。


またひとつ、乳腺超音波にはまった症例でした。

2010年5月28日金曜日

第25回 JABTS 札幌

先日JABTSより第25回JABTSのお知らせがきていました。
web site立ち上がったようです。

次は札幌!! 


札幌と言うだけで、ひかれますねぇ....
連休の合間なので、仕事を休む必要もないですし、行きやすいかも?
ただ飛行機代や宿泊代は高くつきそうですね。

今回の『組織型を極める』は「線維腺腫」 
う〜ん! シブい!! 

基本に戻って、と言う感じでしょうか? 
線維腺腫を間違えなければ、一流だそうですからこれも是非参加してみたいですね。


JABTS25のサイトはこちら 
http://nyusen.saturingi.gr.jp/jabts/index.html

第1回 乳腺超音波診断カンファレンス  無事終了

先日、無事に『乳腺超音波診断カンファレンス』が終了しました。

近隣施設から医師、技師(放射線技師、臨床検査技師)あわせて47人の参加がありました。
本当にほっとしました。

準備をしてくださった施設の先生方に感謝です。本当に。


参加者はわりと検査をはじめて間もないと言う人が多かったように思います。


今回は3症例取り上げたのですが、私は2番目を担当しました。

なかなか、人前で話すことになれてなくて、途中から何を話していたか分からなくなるくらい緊張しました。
あとで、こう言えばよかった、ああ言えばよかった...と反省することばかりです。
でも、この反省をまた次に向けて頑張りたいと思います。

人に説明すると言うのは本当に大変なことです。
自分の勉強不足を実感しました。


これから、また次回へ向けてめげずに頑張って行きたいと思います。

2010年5月22日土曜日

勉強会の準備

『乳腺超音波検査の勉強会が出来るといいんですけどね...』
『子どもがいるとなかなか他県の講習会にも行かれないし....』


などと医師と話してから、はや半年が過ぎ...

今現実になろうとしています。
一重に協力してくださる乳腺外科や病理の先生のおかげです。言い尽くせない感謝。


それでも、おんぶにだっこではいけないので、なるべく出来る事はやらないといけません。



で、症例のスケッチを描いたり、所見を書いたり。
でも...人に説明をすると言う事は、自分が充分に理解していないといけないわけです。

そう言えば、どんな事でもヒトに教える事は、自分の勉強になりますよ..と言いますね。


大変だけど、頑張りたい。
長く続く勉強会にするためにも。

そして、協力してくださる医師のためにも。

2010年5月18日火曜日

乳腺超音波勉強会 始動

乳腺外科の先生と

『乳腺超音波検査の勉強会が出来たらいいね』

と話しをしたのが半年前....


実際、私のような検診センターに勤めている物だけでは、病理画像を集める事も難しいので、実際は勉強会も開催するのは難しいなぁ...と考えていたら、医師の協力というか全面的にバックアップしていただいて勉強会が開催できる事となりました。

今日はその症例の所見のすりあわせてで、担当者が集まって話しをしました。


つくづく思うのは、検査は一人でするわけではない。
超音波は一人でする検査なので、モニターを見て自分の世界に入りがちなのですが、MMGを見る、病理の話しを聞く、そして最終的に診断を行なう医師の話しを聞く...とても大事な事だと思います。
超音波検査だけに携わっていると、他の検査に目がいかない人がたまにいるようですが、違う検査を見てみると、超音波検査をする時にも役に立つと思います。


色んな職種の人が集まって話し合うって良いなぁと思います。見方もそれぞれ...



良い勉強会ができるといいなぁと思います。

2010年5月17日月曜日

良性と悪性の分かれ目

先日、カンファレンスに参加していて驚いた...というか、考えさせられた症例がありました。


その患者様は...
2006年 検診でMMGで異常を指摘され、精査のため総合病院へ行き、CNB施行 良性
その後3年間フォローし変化なしと言うことで、近くの検診施設でフォローと言う形で私の働く職場へ検診フォローと言う形で紹介となりました。

2009.4 超音波検査で 不整形な低エコー腫瘤を認めるものの、2008.10の紹介元の施設で撮られたエコー所見と変化無く、CNB良性と言うことでしたが、念のためABC施行。良性。

2010.2 不整形低エコー腫瘤は大きくなっており、紹介元の総合病院へ再度紹介。精査の結果、乳頭腺管癌でした。


う〜ん。
この腫瘤は2006年の時点ではどうだったのでしょう?
異形性? 過形成?
画像所見として、細胞学的に悪性とは言いがたい物だったのか?

気になったので、細胞診の人に2009.4のABCのスライドを見せてもらいに行きました。
細胞検査士の人も気になったそうですが、これで癌と言い切るには所見が足りないそうで...

あとで見返すと確かに1点核小体が目立つところがあるようですが...

難しいですね。

異形性と癌の境目...というか、どの時点で『癌』と言うかは難しいのだと思います。
この患者様の場合は、4年目で悪性となってしまったわけですが、フォローって大事だなと思いました。
結果1cmにならない8mmで見つかっているので良かったと思います。

2010年5月9日日曜日

自動スキャン

引き続き、超音波検査学会です。

今日はランチョンセミナーで「乳房自動スキャン」の話しを、もう一度聞いてみました。

結論から言うと、昨日の私の持った印象とは全く反対になりました。
昨日はあまり良い印象を持っていなかったのです。...というか、検査技師を否定されているような気が勝手にしていただけなんですけど....。

今日は亀田メディカルの戸崎先生の話しを聞いていて、なるほどなと何度も思ってしまいました。
超音波検査にはどうしても検査者の主観が入ってしまいます。
悪性だと思いながら検査をすれば、より悪性らしく見せようと写真を撮るでしょうし、またその逆もあり得るでしょう。
でも、それでは正しい画像診断は出来ないのだそうです。
あくまでも客観的にデータは集められなければいけないのです。

今日見せてもらった自動スキャンの写真は思ったよりもずっと綺麗でした。
むしろ均等に圧迫されているので乳管などは手動よりも綺麗な印象を持ちました。

そして、何よりあとから画像構築が出来ることが良いのだと思います。

本当に今までの超音波検査の常識とはまったく違う画像診断のようにさえ感じました。


これから、この検査の需要が伸びれば開発発展して行くでしょうし、これからが楽しみです。
もしかしたら、一次検診では自動スキャン、二次検査以降を人が行なう...なんてことになるのかもしれません。

今回の学会では、色々なたくさんの話しを聞くことが出来て有意義に過ごせたと思います。
明日から、頑張りましょう。

アグネス・チャンさんの特別講演

特別講演はアグネス・チャンさん『私の命は、みんなの命』でした。

アグネスさんは乳がんを経験されたんだったよなぁ...くらいの知識しか無く聞いていました。
講演が始まると、すぐご自分の病気体験の話しから始まりました。
唾液腺(...だったかな?)の腫瘍があったようで、その手術を受け、その後遺症で右半分の顔の感覚がなくごはんを食べるのも大変で、顔も曲がってしまってテレビやコンサートなど人前に出るのが嫌だったとお話しされました。
その後、顔の方が落ち着いてきた頃胸にシコリを発見したそうです。

手術は聖路加国際病院でされたようです。
『術前のマッピングは普通のマジックでした。医療用の物があるのかと思ったら、普通のマジックなんです。』と奇しくも以前JABTSの講演で山田邦子さんがお話されたのと同じことを言われました。
ふつうの文房具のマジックと言うのは緊張している患者様にとっては、印象にのこるものなんでしょうか...? 


アグネスさんの話しを聞いていて、彼女の周囲の人はとてもステキな人が多いんだな..と感じました。
最初の唾液腺の腫瘍のときも、ショックを受けている彼女にお姉さんが
「命がある、生きているんだから、何を悲しんでいるのか?」と問いかけています。
良性の腫瘍なら心配をかけまいと手術までお母さんにも黙っていたら、
「あなた一人の命ではない。あなたを世に送り出したのは私だ。母親をなんだとおもっている?」と...
乳がんの告知を受けたとき、ご主人も
「ショックを受けても人にはそれぞれ寿命があるんだから、寿命が無くなれば亡くなってしまうけれど、寿命がある間は死なないんだから、あなたは生きている」
と...
言葉は少し違いますが、みなさんそれぞれ辛いのに、とてもステキな言葉をかけていらっしゃいます。


講演の間中涙腺は緩みっぱなしでした。



命の大切さ、命はつながれて行く...とても良い講演だったとおもいます。



最後に少し、ユニセフの活動の話しをされました。
もし、また機会があれば彼女の話しを聞きたいな...と思いました。

2010年5月8日土曜日

第35回超音波検査学会

第35回超音波検査学会に参加するため大阪に来ています。

今日のランチョンセミナーは『乳癌と戦う技術』と題して、各社メーカーの機械紹介です。
2社が最近話題の自動スキャンの機械の紹介がありました。

聞いたことはあるけれど、いったいどうなっているのか?ちょっと興味半分、機械に負けてられない...という気半分。
まずは敵を知ることが大事と思い聞いてみなければ..(敵でもないけど)


一つは普通のエコー検査と同じで、仰臥位で乳房を薄いパネルのような物で圧迫してスキャンする。もう一社は伏臥位で水槽の中に乳房を浸して下から自動スキャン。

....
聞いていて思ったのは乳房にパネルを置いてスキャンして、乳房全体がスキャンできるのかな?
外側はキチンとスキャンできるのかな?
伏臥位でする方はなんとなくMRIと同じ体位になるし、まぁいいのかな?とも思いましたが...

検査に10分かかると言うことで、人がすることとあまり変わらないのでは?(むしろ長い?)という感想です。
ただ、MRIのようにあとからいくらでも画像構築が出来るようで、乳房全体の画像データが残るのはいいように思います。

ただ、気になったのは『経験の浅い技師でも簡単に検査が出来ます』という文言です。 

確かにボタンを押せば自動スキャンが始まり、検査終了後、医師が読影できるのでしょうが、それなら始めから医師が検査すればいいのでは?
検査技師は機械のお守役?
あとから誰でも読影できるというのは良い事だと思うのですが....
検査時間と読影と同じだけ時間をかけるのはナンセンスとも感じます。
確かにそこが超音波の精度管理の難しいところなのかもしれません。

それに「簡単に誰でも検査できる」というのが気に入りません。

検査技師は超音波検査に限らず、検査結果に責任を持って出せるように、日々勉強をしているわけで...「勉強なんて必要ないんですよ」といわれているようで、なんだか違和感を覚えます。
色んな検査でいかに人為的なミスをなくすかということで、機械任せになり検査手技が簡便になっているのも確かなのですが...

とは言え、検診では有用なのかもしれません。

私的にはやっぱり『機械には負けられない!』と思うのですが、需要があるのならばこれからの開発に注目です。

明日のランチョンもこの機械のメーカーさんのものがあったので、もう一度聞いてみようと思います。私の中では、この機械はまだ複雑な感じです。



こういった学会では、色んな先生の意見のぶつかり合いも楽しみの一つです。
たくさんの意見が聞くことが出来るのも勉強になります。
明日も、もう一日頑張りましょう。

2010年5月2日日曜日

登録完了

世の中連休真っただ中。
今回は仕事も入ってなく、カレンダー通り休みを頂いています。

休みの間に色々整理したいなぁ...と考えています。


さて、連休の初日に先日登録した「ピンクリボンサポーター」から登録完了のお知らせと、グッズが届きました。



サポーター登録証と冊子と、バッグでした。

休みの間に少し読んで勉強しておきます。

2010年4月24日土曜日

ピンクリボン活動

検査室から離れた話しです。


NPO法人のJ.POSHというところでピンクリボン啓発グッズを購入しました。
今回は『ネックレス』を買いました。
バッジは白衣につけていますが、私服に付け替えるのもちょっと面倒くさいと思っていたのです。
で、ネックレスならさりげないかな...?と思い購入してみました。
子どもの習い事の発表会、参観日など人の集まるところなど良いかなと思います。



届いた荷物の中に「ピンクリボンサポーター」や「奨学金」などの制度があるお知らせが入っていました。
どちらも良い制度だと思いました。

とりあえず「ピンクリボンサポーター 個人」の登録をしてみようと思います。
大きなことは出来ないけれど、何か役に立てることはあるかもしれません。
奨学金は私もお世話になったので大金は協力できないけれど、すこしずつ協力できれば良いと思います。


J.POSHのサイトはこちらhttp://www.j-posh.com/

2010年4月20日火曜日

フルデジタルと物理の話し

私の職場で現在乳腺超音波検査を行なっている、エコー機は古いです。と言っても、10年は経っていません...が、フルデジタルではありません。


さて、機械の更新に伴って何社かのデモを去年の秋から年末にかけて行なって、購入も決まったようです。

めでたし、めでたし。


と、思っていたのですが...最近気になることがあります。
デモ機を使用している時に思ったのですが、新しい機械は色々な画像処理が施してあり、キレイに見えます。
キレイに見えて、アーチファクトが無くなるのです。
必要なアーチファクトもあるのです。(乳腺超音波検査では特に)
空間コンパウンドという多段送受信の機能ですが、腹部などでは消化管ガスなどの下は見えなかったのですが、これがあると回り込んで、色々な方向から超音波を送受信できるのでガスの下も見えやすくなる...と言うものだと思います。
で、乳腺ですが、腫瘤の下の後方エコーが減弱するのは超音波の透過率が悪いものが腫瘤を形成している、と考えます。
でも、この空間コンパウンドのおかげで(?)後方エコーの減弱もあまり目立たない気がします。
それからハローですが...これは物理で言うと後方散乱が起こっているわけです。
超音波の波長より小さな不均一な物体(細胞組織のような..)の集合体に超音波が入射すると周囲に反射、散乱が起こるわけです。
これも、あまり目立たないような気がします。
気のせいかな?

それから、あるメーカーは音速補正というものが付いていました。
生体内は軟部組織の平均的な音速として1530m/sで計算して画像を構築しています。
が、脂肪は音速が少し変わって1430m/sな訳です。
脂肪肝などはこの音速補正が入ると、今までよりは多少違った絵が見られるのかもしれません。しかし、乳腺では...
硬い腫瘤の下は後方エコー減弱するのですが、欠損までしない限り大胸筋のあたりは結構観察できるのです。それで、硬い腫瘤の中はそこだけ音速が速いわけです。と言うことは、そこだけ早く超音波が受診されることになり実際の位置より少し絵が上に歪むのです。
お分かりいただけますでしょうか?
硬いものは早く伝わるので、周囲より早く送受信がなされ、早く像を結ぶのです。なので画像上は歪んでいますが、実際に歪んでいるわけではないのです。

私は結構これを見て、腫瘤の下が歪んでいると線維成分が多いのかなぁなんて考えていたのですが、音速補正が入るとこんなことも無くなるのかなぁ...なんて考えたりします。


カンファレンスなどで新しい機械の画像を見ると、石灰化もキレイに描出されてるし、いいなぁと思う反面ハローや後方エコーが少し分かりにくいなぁ...と感じたりもします。
新しい機械の画像に慣れないといけません。

慣れるまでは、コンパウンドの処理を外して検査をする方が慣れ親しんだ画像かもしれません。技術の進歩に付いて行くのは大変です。
物理の勉強もたまにはしましょう...。

2010年4月16日金曜日

超音波検査士のためのマンモグラフィ講習会

マンモグラフィ検診精度管理中央委員会のサイトで
『精密検査に従事する超音波検査士のためのマンモグラフィ講習会』
というのを発見し、さっそく申し込みをしました。


超音波検査をする時に必ずMMGを見るものの、キチンと習ったわけではないし、一度キチンと習いたいなぁと思っていました。

時間が許す時は医師の読影を見学させてもらうのですが、なかなか時間が合わず...最近は心エコーの勉強を始めたので、そちらに時間を取られて、なかなか乳腺に集中できなくなっています。


が、しかし! 
私の中では、なぜか乳腺エコーは他とは違う格付けで、頑張って行きたいと思っています。

この講習会は遠藤先生のお膝元名古屋で毎年2回実施されているようです。
少々割高ですが、得るものは大きいと思います。

これから夏の講習会に向けて、MMGの勉強を始めましょう。

2010年4月15日木曜日

良性疾患の引き出し

先日カンファレンスでカテゴリー4か5かで質問されることがあり、ふと考え込んでしまいました。

ご存知の通り、JABTSの検診診断樹はすこし複雑なのです。

カテゴリー5と単独のものはなく、ほとんどがカテゴリー4、5と書いてあるのです。
カテゴリー5となるところはハロー(+)、それでも(4)が付いていたりします。
MMGのカテゴリー分類と少し趣が違うのかもしれません。

質問されたのは、境界明瞭粗造な低エコー腫瘤でW/D比も高く後方エコー不変〜やや増強で内部に微細点状高エコーを伴い、乳管内進展と思われるヒゲのようなものも描出されていたので、私は乳頭腺管癌(DCIS)か充実腺管癌を疑い、「カテゴリー5です」と言ったのですが...
この腫瘤はハローもはっきりせず、前方境界線の断裂もはっきりしませんでした。
この2つが(ー)の場合カテゴリー5ってどうなんだろう...?と言っておきながら、あとから思ったのですが、逆にカテゴリー4だとすると鑑別診断にあげる良性疾患が思い当たりません。となると5でいいのか?

う〜ん....

しばらく、悶々と考えてしまいました。

カンファレンスの帰り道、悩ましい診断樹と自分の疾患の引き出しの少なさに反省しきりでした。
また、画像を見た時に自分の頭に思い描いていることを、うまく説明できないのも反省です。


日々、勉強。

2010年4月14日水曜日

お母さんのおっぱい

先日、春休みという事もあってか、お母さんの乳癌検診に6−7歳くらいの女の子が付いてきていました。
超音波検査のときに『一緒に入っていいよ』と、その女の子も検査室に入ってもらいました。

私の職場では超音波検査室にMMGも見ることができるようにモニターが設置されています。

その女の子は検査室に入ると、まずそのお母さんのMMGの画面に目が釘付けになっていました。
検査の間は、薄暗い部屋で静かにしていたのですが、検査が終わると

『これお母さんの?』

と聞いてきました。

「そうよ」

と答えると...

『うへぇ キモ』

と言ったので、

「でも、このおっぱいのおかげで大きくなったんでしょ?」
と言うと

『そうかぁ...』
とまたまじまじ画面を見つめて、お母さんの顔を見ていました。



6-7歳くらいというと、ちょうど色々学校で友達と会話が増え、体に関することは何でもキモイと言う年頃でしょうか...ウチの子もそれくらいです。

mammaとは乳房と言う意味と、お母さんと言う意味があります。
ちなみにmammalはほ乳類。


この女の子は「お母さんのおっぱい」で何か大切なものを感じたのではないでしょうか?

2人を見送って、ちょっと温かい気持ちになりました。

2010年4月12日月曜日

悩ましい石灰化

乳腺超音波検査をしていて、いつも悩むのがMMGで微小石灰化を指摘されて超音波検査になった人です。
カテゴリ5が付くような石灰化はいのですが、カテゴリ3の良性なのか?のような所見です。

超音波でなにかしら描出されるのなら良いのですが、何も描出されないとき....
周りと違う低エコー域や乳管の流れが変わってないかとか、見落としてないか?とか必要以上に時間がかかってしまいます。

腫瘤形成性病変のように「ある」か「ない」かすぐ描出できればたとえ悪性病変でも時間はかからずサクサクと検査は進むのですが....

最近のフルデジタルの機械だと石灰化もキレイに見えるそうで、石灰化が見えなくて『これが超音波の限界だ〜』などと言うこともないらしいのですが、私の職場の機械ではまだまだ、難しいです。

検査の前にMMGをみて『ふぅ〜』っとため息をつく日は続きそうです。

2010年4月11日日曜日

ダブリングタイム

先週JABTSより『過去画像対比可能な超音波発見乳癌症例集』という本が送られて来ました。

内容は...癌が発見された症例で、前回検査の記録と対比できるもので、それぞれの画像がのせられていました。
非常に興味深いもので、勉強になります。

すべての乳癌が...と言うわけでなく、集められた135例の検討なのですが、それでも思った以上にダブリングタイムの短いものが多いんだな...と言う印象を受けました。
(そう言った症例が集まった...と言えるのかもしれません)

でも、そうなると、今のように2年に1回の検診では「早期発見と言うのは難しい症例もあるのだ」と言うことを頭に入れておかないといけないなと思いました。
そう言えば、私も1度経験しました。
1年前の検診では正常。その後職場検診でMMGを受けて正常。その7ヶ月後気になるので検診にこられた時は2cmを超える充実腺管癌と言うことがあり、驚いたことがありました。


パラパラとめくっていて...カテゴリー3が付いているのに、1年後検査の画像が載っているのは少し疑問に思いました。カテゴリー3で精査とならなかったのかな?細胞診、MRIなどしなかったのかな?精査は良性となったのかな? 
あとは...これが!と思うようなものが1年後2年後に変化しているものがありました。



ただ...こんなのを見ると、また明日からの検診で必要以上に引っかけすぎないようにしないといけませんね。

2010年4月7日水曜日

無料クーポン券の駆け込み受診の後で...

去年子宮がん、乳がん検診の無料クーポン券が配られました。
3月にその無料クーポン券を使っての駆け込み受診(1次検診)が急増しました。

で...その倍増した受診者の要精検者の2次検診の受診者が増えています。
今日、超音波検査に来られた人ではフォローの人よりも、「今回始めてMMGで引っかかりました」と言われる人が多かったです。
今日は、良性悪性含めて有所見率が高かったです。
日によっては、何も所見のない人ばかりの日もあるのですが....


受付の人に聞くと、今回無料クーポン券を使って始めてMMGを受けた人で精検呼び出しになっている人が多いそうです。
始まった時は賛否両論あったようですが、まんざらクーポン券は無駄でもなかったようです。
特に主婦、子育て世代は自分の検診に時間とお金をかけることをしない人が多く、無料だから行ってみよう...と考える人も多かったようです。
『初めて検査を受けたら...』と言われる人が多く自覚症状もない人も多かったです。

私は検査の前に触らせてもらうのですが、MMGを見て触るからなのか、手に触れることが出来るものが多いです。自己検診をする人が少ないせいか、案外シコリがあっても気がついていない人が多いのにも驚きです。


これからしばらく駆け込み受診後の精検が増えることになりそうです。
今回の事で乳癌検診の裾野が広がったのは良い事だったのではないでしょうか?

2010年4月6日火曜日

乳癌と妊娠

今日ネットで面白い(興味深い)記事を見つけました。

「妊娠が乳癌生存者を守る」というもの。
なんでも....乳癌を経験した後に妊娠した女性では生存オッズが高まる可能性が、新しい研究によって示唆され、乳癌と妊娠について検討した他の2件の研究とともに、スペイン、バルセロナで開かれた欧州乳癌学会で報告されたそうです。

研究の結果、乳癌の診断後に妊娠した女性の死亡リスクは、妊娠しなかった乳癌患者に比べて42%低かったそうで、ホルモンが原因であると推測されるそうです。エストロゲンは乳癌腫瘍を刺激するが、一定レベルを超えるとその疾患から保護することができるとか? また、母親は妊娠中に、保護作用を有する抗体を産生するらしいです....。


さて...
この記事を読んで、まず乳癌経験後に妊娠...と言う人がどれくらいいるのか?ということを思い浮かべました。
若年者乳癌と言うことでしょうか?
なんとなく、乳癌の治療後は妊娠を勧めないのかと思っていました....

はたしてヨーロッパの研究なので人種が違えば、なんとやら...なのでしょうか? どこまで信用できるのでしょうか?


海外の色々な学会のレポート見ていると、『えっ!?』と思うもの、『へぇ〜』と思うもの色々あって勉強になります。
ただ、すべてが日本で受け入れられるかは別物ですけど。

2010年4月5日月曜日

JABTS 24

JABTS24の抄録が手元に届き、読んでいます。

今回仙台と言うことで、私の住む地方都市からは、飛行機の便が仙台着が昼過ぎ(というより夕方...)しかないので、参加はあきらめて抄録を眺めています。

でも、見れば見るほど興味深い内容で、聞いてみたいセミナーやシンポジウムが目白押しです。
毎回楽しみにしている『組織型を極める』は今回「浸潤性微小乳頭癌」です。
聞きたいなぁ....


面白そうな企画としては、ランチョンセミナーの『診断力にチャレンジ』で携帯電話で参加型のセミナーです。
これは楽しそうです。
次回からも是非続けてほしいです。


あ〜...見れば見るほど、行きたいなぁ....。

サイトはこちら
JABTS 24 仙台

2010年4月2日金曜日

医療費の現実

穿師吸引細胞診の検査結果を聞きにこられた方がいらっしゃいました。


その方は、70代で2年前にご主人を大腸がんで亡くされ、やっと気持ちが落ち着いたので自分の検診を受けようとMMGを受けられたのだそうです。すると、要精密検査のお知らせが届き、超音波の検査を受けにこられたのでした。

超音波検査のときにご主人の話しをされ、自分がもし癌だったら、もう治療をするお金がないからどうしようか...と言っておられました。
手術はなんとかできても、その後の治療が出来ない...と。それなら、手術せずにこのままの方が良いかもしれない..と。

超音波検査では前方境界線断裂、ハロー(+)後方エコーが増強しているD/W比の高い低エコー腫瘤が描出され、私は充実腺管癌を疑うと書きC5をつけました。腋窩リンパ節は肥厚しているものの明らかな転移とは言えず、胸骨傍リンパ節はinternal mammary area開大なし..でした。


穿師吸引細胞診の結果はclass5


その方への説明と紹介状を医師が書く時に、やはり金銭面のことを心配していらっしゃいました。

これは、切実な現実問題だと思いました。
今まで、検査を行ない早期発見を心がけて検査をして来ましたが、癌を見つけて終わるのではなく、その後の治療もまた患者様にとって大変なことが待っているのだという現実を改めて考えさせられました。
頭では分かっていたつもりでしたが、今回はこの患者様の言葉が心にズシッと響きました。
高額医療費の補助などの制度はあるのでしょうけど、放射線療法やホルモン療法、化学療法...どの治療法になるにしても高額な医療費になることは間違いないようです。

先生が説明されるのを聞きながら、何となく考え込んでしまった日でした。

Breast Imaging MOOK

今日、同僚の放射線技師さんから1冊の本を紹介されました。

乳腺画像診断の本です。
超音波、MMG MRI PET/CT などなど

すべての検査画像についての本です。
よ〜く見てみると、その彼の名前が....MRIについて彼が書いていました。 


素晴らしい!! 
優秀なことは知っていたけれど、すごいなぁ。



皆さんもいかがですか?
こちらから、見ることが出来ます。
(注文も出来ます。今はキャンペーン中で送料無料になってました)

『Breast Imaging MOOK 』http://www.eizojoho.co.jp/book/breast_mook.html 

2010年4月1日木曜日

Breast screening 'saves lives'

私は毎朝通勤の時にiPodでニュースを聞いています。

今朝BBCのニュースで興味深いレポートがあったので紹介します。

2人の医師のインタビューです。

http://news.bbc.co.uk/today/hi/today/newsid_8596000/8596225.stm

スクリーニングの考え方、over diagnosisなどなど....


こちらも興味深いインタビューやブログとリンクしています。

http://www.bbc.co.uk/search/breast_cancer

いかがでしょうか?

2010年3月28日日曜日

ピンクリボンバッチ

超音波検査から少し離れますが...

今日は娘のバレエの発表会がありました。

で...


私は受付の係だったのですが...朝、係の集合の時に同じ係のお母さんの中に、スーツの胸にピンクリボンのバッチをつけている人を発見! 
話を聞くと看護士さんだそうです。 他にも放射線技師さん。
お母さん同士で話をする時に、いちいち「お仕事なんですか?」なんて聞かないから知らないことも多いです。

私は職場の白衣にはつけていますが...うっかりしていました。
こんなバレエの発表会で人がたくさん集まるし、受付だったのに、惜しいことをしました。

この次は是非つけて会に望みたいと思います。


おかげさまで、発表会は無事に終了でした。

2010年3月23日火曜日

乳腺超音波勉強会 第一歩

以前から話のあった「乳腺超音波勉強会」ですが...
いざ会を立ち上げるとなると色々大変でなかなか進まなかったのですが、今回協力してくださる先生の病院のカンファレンスを超音波中心に形を変えて、院外にオープンにして行くところから始めてみましょうということになり、さっそく今日参加して来ました。

今までは近くの大学病院のカンファレンスにしか行ったことがなかったのですが、違う病院だとまた様子が違います。


今日はMMG CT画像の解説もあり、病理、細胞診、超音波(動画)とすべて対比しながらみて行くことができたので良かったと思います。
こんな感じで勉強会が進んで行けたら良いな...と思います。

目標は、参加した人はJABTSの試験に合格できるように! そこを目指していい会が出来ればいいと思います。



誰か一人優秀な人がいるのではなく、みんなの水準が上がることが目標です。
優秀な人が検査したから、偶然発見されるのではなく、誰が行なっても発見できる超音波検査を目指したいと思います。
優秀な施設だったから、偶然発見できたのではなくどの施設でも発見できるように、このエリア一帯でレベルをあげて行くことが目標です。


夢は大きく。

頑張っていきましょう。

2010年3月22日月曜日

今思えば....

ちょっと、乳腺超音波検査室から話題はそれますが....

昨日テレビで、日本の医療についての番組をやっていました。
救急医療、緩和ケア、NICUなどなど....


見ていて、思ったことがあります。医療に関わる仕事をしていて、このところ特に感じるようになったことでもあります。

私の父は19年前に、母は18年前に、それぞれ病気でなくなりました。
が、いったいなぜ亡くなったのかは医師から当時何の説明も受けていません。


父が最初に入院したのは私が高校生のとき、病名は「気管支拡張症」でした。
痰がでて、咳もひどかったのを覚えています。
入退院を繰り返していました。



母が倒れたのは私が検査技師の学校の1年生の時。病名は「脳梗塞」
この時父は退院はしていましたが、自宅療養中。

母は3日意識不明。意識が戻った時は、言葉も話せず、動くことも出来ず、表情もない。
なぜ、そうなったのか説明はありませんでした。

私が学生だったから? 

今と違ってMRIがどこにでもある機械ではなかったので、わざわざ入院施設とは違う施設へ検査を受けに連れて行ったのを覚えています。

でも、MRI画像を見ながらの説明もなく....脳のどの部分が障害を受けたのか?

回診の時に、ベッドサイドで医師とナースが『珍しい症例で視床の....学会報告をした...』とかなんとかその話が聞こえて来てやっと、視床下部のあたりの血管が詰まったんだと分かったのです。(でも、直接説明があったわけではないのです)


父の状態がどんどん悪くなり、動くことも困難となり、病院のベッドの上だけの生活となって行きます。喀血もひどくなり...

今思うと、せめて胸部レントゲン、CTなどをみながらの説明があっても良かったように思います。どのくらい悪かったのか...? 今となっては? 
父の直接の死因は痰を気管に詰まらせての、窒息死。 

母はその後、リハビリのおかげで少し歩けるようになったものの、会話らしい会話はできす、私の顔も認識できず...
母も結局は入院中食事をのどに詰まらせての窒息死。
なぜ?そんなことになってしまったのか?
直接の死因は、死亡診断書に書いてあるのだけれど、今思うと病気の経過の説明は無かったように思います。

時代がそんな時代だったのでしょうか? 
医師だけが知っていれば良い。
そんな時代だったのでしょうか?

今は必ず、説明があり、本人や家族の納得のいく治療が受けられる。治療の選択ができる。

病気は医師だけが治すのでなく、患者本人もまた立ち向かう必要があると思うのです。
それを支える家族もまた同じです。


最近、なんとなくそんなことを考えながら、時代が変わったのだなと感じています。

2010年3月20日土曜日

乳癌検診の実績

以前参加した「乳腺フォーラム」で司会の先生が

『我が県は、乳癌発見率、的中率が全国で1位でした』と言われました。
全国水準がどのくらいなのか、良く知らないのですが...

とにかく優秀な乳腺外科、MMG読影医が揃っていることは間違いないようです。
もちろん、キレイな写真をとる放射線技師もです。


先日あった「症例検討会」で、私の働いている施設の要精査率、発見率などが出されていました。
私は被爆地に住んでいるので、被爆者健診と言うのも行なわれ、被爆者健診と一般の検診者と別れて発見率が出されます。


平成20年度は被爆者の要精検率は7.0% 発見率は0.5% 一般の要精検率は9.1% 発見率は0.59%となっていました。

全国平均がどれくらいなのか分からないのですが、良い成績だったようです。


改めて、自分の置かれている環境の良さに驚いています。
優秀な放射線技師さんや、優秀な先生方の指導を受けさせてもらっているのだなぁ...と感じています。

この数字に超音波検査が少しでも貢献できていると良いですね....。

症例検討会

MMG症例検討会に参加しました。


昨年までは医師だけで行なっていたようですが、今年はコメディカルにも声をかけてもらったので、行ってみました。
放射線科の技師さんと、細胞検査士の方々もいらっしゃいました。


一つの症例をみんなで見て、どう読むか確認し合うのはとても大事なことだと思います。


今回はMMGの症例検討でしたが、超音波検査など一人で検査をするものは、独りよがりになってしまいがちです。自分の意見と他人の意見を確認し合うのは大切だと思います。



しかし....


MMGは難しいなぁ....

このまえの勉強会の時もそうだったけれど、う〜ん。
左右の形が違うことに気がついたとき、お乳の挟みかたが悪かったのか、硬くて伸びていないのか? その見分けはどうしたら分かるのかな....? 



日々、勉強ですね。

また頑張りましょう。

2010年3月17日水曜日

ギモン解決....?

去年のSt.Gallenで....

手術で腫瘍を切除した際の切除面である断端部に関する議論では、浸潤がんにおいて断端陽性の場合には、全員一致で再切除すべきという結論になった。また、非浸潤がん(DCIS)においては、再切除すべきが8割となっていた。「DCISは治る病気。そのため、断端を陰性にすることが重要と」Morrow氏はコメントした。一方、非浸潤性小葉がん(LCIS)においては、再切除は必ずしも必須ではないと合意された。



この会議内容ををうけて、私の素朴なギモンを昨年11月にupしたのですが...
なぜLCISは断端陽性でも追加切除の必要はないのか? 
私の中で、沸々とギモンがわき上がっていました。
なぜなら、私の中ではDCISとLCISは発生場所が違うだけで、浸潤していない癌は癌。と思っていましたし、浸潤癌だと乳管癌より小葉癌の方が怖い印象があったのです。
小さな細胞をバラバラと巻いたように広がるし、どこまで広がっているかが分かりにくい感じがして、なんとなく乳房全摘のイメージ(あくまでも私の)でした。
なので、この文献を読んだ時に、なぜ? と思ってしまいました。

今日、先生と話をする機会があり質問してみました。


回答は...

LCISは必ずしも浸潤癌になるわけではない...とのこと。確率の問題なのでしょうか?DCISは浸潤癌として再発する率が高いので必ず断端はマイナスにしておく必要があるのだそうです。

非浸潤癌の時は小葉癌はおとなしいということ?でしょうか....


半分納得。 でも、まだなんだか? 


発生機序のもんだいでしょうか?謎が解けたような、そうでないような? 

2010年3月10日水曜日

RVS

最近話題のRVS(Real time virtual sonography)
磁気ナビゲーションシステムを使って超音波画像とそれに対応する、MRI/CTを同期すると言うもの。

私の働いている職場には外部から乳腺外科の先生が来られています。
今、その先生の病院ではRVSを試験中らしい。
同期させるMRI画像は、私が働いている職場で撮影し、先生の病院で超音波検査を行う時に同期するのかな? 
今はまだ、試験的にこんにゃくの中にモノを埋め込んで試しているらしい....

学会などで、見かけたことはあるけれど、肝臓などの血管など指標になるものがたくさんある臓器は良いけれど、乳腺はなかなか難しそうだなぁ...と言う感想でした。
大きなはっきりわかる腫瘤に関しては、同期させなくても良いような....
どちらかと言うと、DCISのようなエコーで分かりにくい...もしくは化学療法で小さくなってしまって、広がりがどこまでか分かりにくい人に対して行うのだろうから、同期させるには色々な苦労がありそうです。

我が職場の誇る(?)優秀な放射線技師さんが色々試しながら日々行っているようです。
いずれ、私たちもお目にかかることがあるかしら?

少し、楽しみにしておこう。

2010年2月24日水曜日

オリンピック中継中の検診

今日はお昼にオリンピック、女子フィギアスケートの中継をしていました。
検査自体は1時からスタートするのですが、1時になっても患者様はいらっしゃいません。

待てど暮らせど....

2時前、やっとカルテが来たと思って、患者様の名前を呼ぼうと検査室からでると、そこには人だかり...。
待合室のテレビの前は患者様、職員ですごい事になっています。
見るとちょうど安藤美姫がすべっていました。
ここで、『検査をしますからこちらへ来てください』とは言いづらい。

オリンピック、世界水泳、高校野球...etc。
スポーツ中継の時の検診はなんだか、やりにくい。


結局、演技が終わるのを待って検査に入ったりして....。


さて、最近乳腺超音波検査で自分の思いが少しぶれています。
講習会や、カンファレンスなどでたくさんの症例を見れば見るほど....。
もしかしたら、こんなのもあるのかも?と思ってしまい、自信を持ってC2で落とせなくなってしまいます。

再度、JABTSの講習会に行かないといけないなぁ....。

2010年2月15日月曜日

JABTS 25は札幌

久しぶりにJABTSのサイトを開いてみると、JABTS 25のお知らせがでていました。
2010年10月10日 札幌 だそうです。

春の仙台は、行くには日程調整が難しいなぁ...と思っていたのですが、札幌...素敵な響き。
ちょうど、連休の真ん中で、私としては行きやすいかも。
(この際家族旅行で...と言うのもいいかも)

ちょうど、ふらっと遊びに行きたくなる頃かも? 


牛タンはあきらめて、ラーメン食べに行こうかしら?

2010年2月12日金曜日

MMG読影テスト

引き続き...昨日の講習会の話ですが....

MMGの40症例のうち推奨カテゴリー一致は25/40で、自分としてはなかなか頑張ったのでは? と思っています。

勉強不足もあって、MMGのカテゴリーについてあまりにも知らなさすぎでした。
FADはみんなC3だと思っていました....(恥ずかしながら)
精密検査でエコー検査に回ってくるFADは全部C3だから...

でも、よく考えるとC3だからエコーになるんですよね。


石灰化も形状や分布でキチンと分けられているし...


ちゃんと勉強してまたの機会に頑張ってみましょう。


ただ、推奨カテゴリーは一致しなかったけれど、ポイントとなる場所は見つけることができていたので、私的にはよくがんばったかな?と自分で思っています。

2010年2月11日木曜日

乳房画像研究会

今日は放射線技師さんに誘われて、県内の『乳房画像研究会』に参加して来ました。

この会はどちらかというとMMGの勉強会なのですが、私もエコーの検査をする時にMMGを見るので、少し勉強になるかなぁと思って参加してみました。

まず、最初にMMGの認定試験と同じ形式で40症例フイルム供覧があり(ここで私は疲れてしまいました)そのあと解説がありました。

やっぱりレントゲンのフィルムを見慣れてないせいか、かなり疲れたのと、人をかき分けて見る労力で疲れてしまいました。放射線科の技師さんの試験は大変だぁ...
JABTSの試験は個人にパソコンがあるので、自分のペースで見ることが出来ますから少し余裕もありますね。

石灰化も領域性なのか、区域性なのか? 腫瘤なのかFADなのか? 

頭の中はごちゃごちゃ。


でも、すこ〜しイメージがつかめたような気がします。
写真を見ながら解説してもらうって勉強になりますね。 

超音波でもこんな勉強会が出来ると良いなぁと思います。

2010年1月20日水曜日

体位によるズレ

検査をする時は、必ずMMGを見て検査を始めます。
MMGを見て大体の位置を思いながら超音波の検査をするのですが、時々あれ?こんなところ? と思うくらいずれている事があります。

MMGは立って、しかも、はさんで伸ばして写真を撮ります。超音波の場合は仰向けで検査をしますので、お乳もかなり形が変わっています。(重力にそって、横に垂れています)

思わぬ方向に石灰化があったり、腫瘤があったり...

そう考えると、MRIはうつぶせで検査をするのでまたまた、違う方向にお乳が伸びます。

手術をする時は仰向けですが、検査の段階では色々な体位での検査で、真の病変はどこにあるのかの広がり診断は、本当に難しい思います。

体位によるズレを考えながら、検査結果を総合判断して、手術に望む医師はすごい!!