2010年6月26日土曜日

一般検査室へ

いつもは生理検査室で心電図検査をしたり超音波検査をしたりしていますが、昨日は一般検査室へお手伝いに行きました。


というのも...6月24、25日は札幌で日本乳癌学会があり乳腺外科の先生がお休みで、乳腺精密検査がお休みだったのです。

で、一般検査室で人が足りないのでお手伝いがほしいと言われ、行ってきました。


4年前までは尿検査もしていたのですが、機械もシステムも変わりなかなか大変でした。
間違えないように、慣れない検査室で一つ一つ確認しながらデーターを流して行くのはなかなか緊張します。
検尿コップを受け取り、テストテープを浸けて結果を出します。


昨日は機械に慣れるのが精一杯で尿沈渣までは見ることが出来ませんでしたが、次の時はそちらの検査もしたいなぁ...なんて思いながら検査室を後にしました。


尿沈渣とは....?
尿を試験管にいれて遠心分離機という機械で高速にまわし、中にある細胞成分を分離してそれを顕微鏡で見る検査です。
赤血球や、白血球、尿細管上皮成分など見ることができます。
赤血球は変形しているものの形から部分から出血しているかなどが分かったりもします。上皮細胞もいろんな種類があり乳細管のどの部位か(遠位、近位)がわかります。 
形態は好きなので顕微鏡をのぞくのは好きです。


いつもとは違う検査ですが、同じ検査室内の仕事です。


今日は乳腺超音波検査室よりを変更して、「尿検査室より」でした。

2010年6月22日火曜日

雲とガレ

『どうして乳腺超音波がすき?』と、あるひとに聞かれました。

乳腺の超音波は、私にとっては、まるで空の雲を見ているようです。
休みの日に公園に行ってゴロンと寝転がり空を見上げるのは大好きです。

乳腺の豹紋様なのは、流れている雲のようです。
雲の流れが途切れたところに、腫瘤があると思うのです。


乳腺の検査を勉強し始めた頃は、空を見上げて雲を見ては「充実腺管癌だな」「乳頭腺管癌だな」と思ったり...


それを言うと

『へ〜 雲ね〜  そう』

と言われました。


ついでに、『MMGはエミール・ガレのガラス細工に見えませんか?』
と言うと絶句。


共感してもらえませんでした。

美しいと思うんだけどなぁ....
だめかなぁ? 

雲の流れと、エミール・ガレ....

共感してもらえる人は、いないようです。

2010年6月20日日曜日

経験が足をひっぱる!?

今MMGの勉強中です。
読んでいる本に「素直な人が、上達が早い」と書いてありました。

そう言えば、以前「MMGを見るときは少年のような気持ちで」といわれた事があります。
...少女でも良いのかな?


きっと乳腺超音波検査も同じですね。

乳腺超音波検査はプローブを軽くもって押さえつけず、まっすぐに垂直にビームを入射します。
この『まっすぐに』というのが意外に難しいのです。
特に他の領域の検査が長ければ、長いほど...
腹部では押さえたり、プローブを倒したり...
乳腺の検査でこれをやってはいけません。

押さえたり倒したりすると、画像は変わります。硬癌などは見落としてしまう可能性もあります。

他の領域でスペシャリストであるがゆえに、その知識が邪魔をし、そんなはずはないと思ってしまうのでしょうか?

先日JABTSの講習会のお手伝いに行きましたが、「超音波検査をやり始めて経験があまりない人の方が、きちんと勉強すれば上達が早いです」とある先生がおっしゃっていました。

超音波経験が少ないといろんな事を素直に受け入れることができるのかもしれません。
超音波はこうあるべき..という考えが少ないのかもしれません。
病理画像も、他の検査も素直な気持ちで見ることができるのかもしれません。


もちろんすべての領域においてスペシャリストはたくさんいらっしゃいます。


要は、プローブを持ち替えた時、頭もキチンと切り替えて検査が出来れば良いということだと思います。

2010年6月16日水曜日

フォーカス

超音波の検査をする時にとても大事なのが『フォーカス』です。

検査を始める時、患者様の乳腺の下部あたりにフォーカスを合わせて検査を始めます。

...でも、フォーカスはそこで固定して検査するわけではありません。
関心領域に合わせるため、常に動かします。


例えば、腫瘤の前方境界線が見たければそこにフォーカスを合わせます。
もちろん確認したあとは、元に戻します。

フォーカスポイントよりも下は、とたんに画像が悪くなるので見逃しにつながります。

プローブを持っていない方の手は、常に動かして、良い画像を作って写真を残すようにしたいものです。
フォーカスが変わると、とたんに見え方が変わる患者様もいらっしゃいます。

2010年6月14日月曜日

20〜30代の乳癌検診の有用性

今日のCareNetの配信で 「乳がん検診 若い人は必要?」という記事がありました。

TBSのドキュメンタリーや映画にもなった「余命1ヶ月の花嫁」で反響を呼び、20〜30代に限定した乳癌検診キャンペーンが展開されているようです。

が...これに見直しを求める意見書が医療関係者から出されたようです。


確かに20〜30代の若年性乳がんがあることは間違いありませんが、20〜30代に限定した乳癌検診を行なうのは?です。
若い人は乳腺も豊富なので、高濃度でMMGでは真っ白でたとえ病変があっても確実に発見できるとはいえず、むしろ乳腺が豊富なために被爆量は増えるので、かえって悪い影響が増えるようにも感じます。


テレビや映画というのは与える影響が大きい媒体なので、正しい情報を発信して検診受診率が上がれば良いと思います。

正しい検診が行なわれてこそ、乳がんによる死亡率も下がると思うのです。

2010年6月9日水曜日

前方境界線ってなんだ?

乳腺超音波検査をする時に、よく聞く言葉『前方境界線』というのがあります。


この「前方境界線」とはなんでしょう?
JABTSのガイドラインによると...
「浅在筋膜浅層は乳頭直下で翻転し乳腺組織を包み込むような構造になっている。皮膚脂肪と乳腺組織の境界部にはこの膜が存在し、乳腺の前方境界線を形成している。 前方境界線を形成する膜はクーパー靭帯とも連続しており...」
とあります。
また、こうも書いてあります。
「乳腺とその周囲組織との境界線を乳腺境界線といい、皮膚方向を前方境界線、反対方向を後方境界線という」

病理組織的には「前方境界線」という名称のものはないそうですが、乳腺の外膜、線維性の結合組織を指していると思われます。

「こんな線はないので私はこの言葉を使いません」といわれた先生もいらっしゃいました。



時々、検査をしていて分からなくなるときがあります。
乳腺がはっきりとしている若い女性などは、この境界線ははっきりわかると思うのですが、いわゆる脂肪性の乳腺で「?」と考えることがあります。
乳腺は退縮していき脂肪性となり、どこに境界線があるのやら? 
脂肪と乳腺が入り交じってどれが境界線だか...? 


悩ましい...

2010年6月8日火曜日

超音波検査従事者のための読影講習会

私の施設では、超音波検査の時にMMGを一応確認します。


一応....です。


一次検診はMMG検診ですから、どこが引っ掛かったのかを確認して検査に入ります。
でも、臨床検査技師ですからMMGをきちんと習ったことがないのです。
独学というか、自己流というか...見よう見まねなわけです。


超音波検査をしながらMMGもきちんと勉強したいなぁ..と思っていました。
そして、精中委のサイトで見つけたのです。
『超音波検査従事者のための読影講習会』

これは!と思い申し込みました。...で、今日その案内のメールが来て、ちょっとびっくり。

当たり前ですが、本格的です。
本格的すぎてちょっと腰が引けてしまいます。

この講習会、放射線技師用じゃないよね?と思うくらい。
ガイドライン、拡大鏡、そして撮影フイルム持参....
う〜ん...早まったか? 

確かにキチンと勉強したいとは思っていたのだけれど..ここまですごいとは。

でも、やるからには、やはり正しい知識を身につけて検査に望みたいと思うので、ここはひとつ勉強してこようと思います。(受講料が高いなぁ...)

考えたら、JABTSの講習会も同かな...


講習会まであと1ヶ月。
乳腺外科の読影ASの先生に鍛えてもらわなければ....


ガンバルゾ!! 

(気合いだけは一流...)

2010年6月7日月曜日

ICLってなんだ?

先日超音波検査をしていて、「乳頭線管癌もしくはDCIS疑い、鑑別診断は乳腺症」と所見を書き細胞診となった患者様の結果が出ました。


細胞診の結果は...結合性が低下し核の大小不同が目立ち、ICLを伴い、乳管癌のほかに小葉癌の可能性もあるとのこと。

ICL...細胞質内腺腔:硬癌や小葉癌に見られるらしいのですが....

う〜ん。
私が思っていた組織型とちょっと違うなぁ...
私が気になったのは、低エコー域(腫瘤と言えるか?)の内部に小さな管腔の様なものが集蔟して見えたのが気になったので、乳管内成分が多いと思ったのですが...
硬癌や小葉癌のように後方エコーは減弱した感じもなく、どちらかというと線維成分は少ない印象だったのですが...
細胞もバラバラに出て来ているらしいし、小葉癌なのかなぁ....

あくまでも細胞診の推定組織型なので、病理の最終診断を待ちたいと思います。


う〜ん。


ICLかぁ....

2010年6月5日土曜日

グループの作成とML

今週始めに長く付き合いのあった医師が亡くなりました。
とても楽しい先生で患者様にも人気のある気さくな先生でした。
享年56歳。

今週はそのせいで、落ち込んでしまい気分がなかなか前向きになれなかったのですが、そうも言ってられないので、また少しずつ始めたいと思います。


先月行なった超音波勉強会の参加者などを中心にGoogleでグループを作りMLを作成しようと考えていたのですが....
グループを作ったものの...いまいち使い方がまだよくわからず...。
なんとか招待状を送る所まで完了しました。

将来的にはグループで画像などアップロードしてディスカッション出来れば良いなぁ..なんて考えていますが、はたしてそこまでできるかどうか?


まずはGoogleグループの使い方を極めなければ.