2011年12月21日水曜日

月食と物理と超音波

先日、綺麗な皆既月食を見ることができました。

日本では、時間帯もよく天候にも恵まれた地域が多かったので、皆既月食を見たよ!と言う人は多いのではないでしょうか?


皆既月食のとき、月は赤く見えます。


なぜでしょう?


それは、光のうち赤い光は波長が長いので大気中の塵や、色々な分子にあたっても、屈折率が小さいため遠くまで光が届き、地球の影に隠れても月まで届くことができる。と、言う訳です。
では、なぜ空は青いのか?
赤い光とは逆に青い光は波長が短いです。屈折率は大きくなります。大気中のいろいろな分子にあたって屈折を繰り返し、散乱してしまいます。(月までは届かない)散乱することで、空は青く見えるのです。
夕焼けが赤いのは、まさにこの現象です。太陽が地平線に近いところにいると大気中を通る距離が空高くある時よりも長くなる為、赤い光だけが残って、目に届くと言う訳です。


波長が長いと屈折率は小さく、遠くまで届きます。
波長が短いと屈折率は大きく、途中で散乱して遠くまで届きません。

どこかで、聞いた話ですね。

超音波では周波数が高くなると分解能は上がりますが、深部減衰が激しくなります。
これは屈折率が大きくなるため散乱がおこっているのです。

月食の赤い月を見ながら、子どもに波長の話をしつつ、超音波のことも思い浮かべた夜でした。


たかが波ですが、されど波です。

どうして、高周波が深いところが見えないのか、空がどうして青いのか?月食の赤い月と理由は同じです。


物理も面白いですね。

2011年10月29日土曜日

トラペゾイドって?

ウチの施設で使っている一番新しい機械は去年購入したものです。

で、その機会には「トラペゾイド」なる機能がついています。
先日デモをした他メーカーにもやはりありました。
そして、アプリの方から説明を受けたのですが...
「切ってください」と言ってしまいました。

どうなるかと言うと、リニアなどでそのボタンをオンにするとコンベックスの画像のように末広がりの画像になります。
いわゆるトラペゾイド=不定形四角形と言いますか、台形ということです。


なぜ? 


まあ、いろいろな角度にビームを出したり処理したりして視野幅を広げると言うものだと思うのですが...


えーっと...

せっかくの高周波でキレイな画のリニアなのになぜに画像をゆがめる必要があるのでしょう?

メーカーが作ると言うことはそれなりに需要があるってことだよなぁ...

私は、滅多に使用しません。
使うとしたら、乳頭間距離をはかるとき、あと一歩..というときくらいかな?


これって、本当はどんな時に使うものなっでしょうねぇ?


本当は、もっと良い使い方あるのかな?


皆様、ご存知です?

2011年10月24日月曜日

乳癌検診学会 その2

今回聞きたいセッションがあったのですが、自分の発表と重なっていて聞くことが出来ませんでした。


それは、精度管理に関するもので検査者に対する基準と言うものです。
聞かれました?

抄録を読んだ時に、日超医の超音波検査士の扱いのことが書いてあり少々興味がありました。



自分の発表が終わって、移動しましたがぎりぎり間に合いませんでした。
どういう話だったのかなぁ...?と気になりながら、聞いていました。

全員のプレゼンがおわり、ディスカッションのところでまた少しその話題になりました。

で、表在の資格を取るのは検診センターでは難しいのではないか?と言う意見がありました。

全くその通りなのです。
試験を受けるには症例の提出が必要なわけですが、病理最終診断までが必要なわけです。
検診センターにいるとそれらを集めるのが本当に大変なのです。
紹介状の返信もあったりなかったり...書かれている症例を集めるのも大変です。
健診領域で受験する時は最終診断が必要ないのでコレは受験しやすいです。
実際、超音波検査士の資格はやはり、総合病院のような大きな病院でないとなかなか難しいなぁ...と感じることがありました。

乳腺と甲状腺、耳下腺、唾液腺などを分けたら?という意見もその場で出ましたが、それは日超医のほうから却下。
まぁ、それも何となくわかります。しょうがないところだと思います。
確かに乳腺の為だけにこの資格がある訳ではないですし...

ただ、この難しさというのは先生方はもちろん、総合病院に勤務している人にはわからないだろうと感じていましたが、
こういった場で話題になったのは少し嬉しい(?)気もしました。

あの場の結論は両方取得すればよい。となったのですが、この両方というのはJABTSのA,B判定と検査士の表在と言う意味だったのか、
表在と健診領域を両方という意味だったのか...?ちょっと聞き逃してしまいました。


超音波検査士の資格は基礎の物理の原理を勉強すると言う意味でとても大切なことだと思います。
が、やはり検査に携わっている人誰でも受験できるものでもないかな?という感じもいたします。
近くに認定医の先生もいないとだめだし....



なかなか、資格って難しいですね。
ただ、何かを目指して、目標に頑張ると言うのは良いかもしれません。



学会の感想...つづく。

2011年10月23日日曜日

乳癌検診学会 

20、21日に乳癌検診学会が岡山で行われましたので参加してきました。


初日はポスター発表がありました。
会場について受付をして、ポスター貼ろうかな..と思いポスター会場へ...


あれ? 

どこかいな?

ちょっと、わかりにくかったですね。

会場へ行くと、受付は...っと...?
受付がない!! 

ないのかなぁ?

まぁいいや。先に貼ろ。と貼り始めました。
押しピンはあるのですが、けっこうボードが硬いので大変です。

隣の人はハンマーを持っています。
お〜! 持参してきたのか...えらいなぁ。と、思いつつ。結構あちこちでトントン音がしています。
みんな、持ってきたんだぁ...えらいなぁ。

力ずくでぐいぐい押して、親指が痛くなりました。(><)


貼り終わったところへ、岡山の友人が来たので「ポスター受付ないね」と聞くと『あるよ。こっち』
と案内してくれました。
ポスター受付にはきちんと貸し出し用のハンマーがありました。(納得)


と、あんなこんなで発表も終わりました。


つづく...

2011年10月18日火曜日

境界明瞭粗ぞう vs 境界不明瞭 vs ハロー vs 前方境界線

境界部の表現に平滑、粗ぞう、明瞭、不明瞭と言うのがあると思います。

明瞭で平滑なのか粗造なのか。
平滑っていうと鉛筆でくりっと線が描ける感じでしょうか?
粗ぞうは、ガサガサした感じで一本の線ではなくガサガサした感じで絵を描くってかんじでしょうか?


充実腺管癌などくりっとしているけど境界がガサガサした感じ...みたいなのが粗ぞうと言えるかもしれません。


では、そこにハローがつくとどうなるか?


教科書的にはハローがあるものは境界部の判定が困難で、境界不明瞭とする。となっていると思うのですが....
実際検査をしていて、境界明瞭粗ぞうで、ハローありと感じる腫瘤って遭遇します。

よくあるのが、圧排性発育のまさに充実腺管癌など。で、いわゆる辺縁部高エコー帯がある訳です。

ムムム...
これはリンパ球の浸潤などで、エコー上後方散乱がおきてハローが見えていると感じています。
実際がん細胞の浸潤のこともあるでしょうが、それ以外でもハローのような高エコー帯はできると思います。


そして、前方境界線です。以前も「なんだ」と書いたことがありますが...

意外に遭遇するのが、検査をしていてハローもあって、前方境界線も断裂しているように見えて浸潤癌だと思ったら実はDCISだった。
...みたいな。

これはどうしてそう見えたのでしょうねぇ?

炎症や、線維化などが進み、そこで性質の違うものがあると超音波は高エコーに描出されます。それが、高エコー帯の用に見えるということでしょうか?
そして、それらが前方境界線の断裂のように見える。ということでしょうか?

嫌なことに、良性の時にもこれがあったりして...


じゃぁ、JABTSの診断樹はどうなるんだ! と言うことになりそうですが...
そこは、やはり周囲を見ながら、じっくり判定して行くしかないと思います。
コレがあるから、判定はコレ。と機械的ではなく、周りをみながら...ということでしょうか? 



ややこしいですね。

ガン細胞の浸潤だけが高エコー帯を作る訳ではないんですよね。

いろんなものが混ざっているから、高エコーに描出されるのです。



超音波って、難しいですね。


でも、楽しいかも。

2011年10月16日日曜日

エラスト、カラーしてますか?

日々、検査をしていてブログに書きたいなぁ...と思うことは多々あるのですが、日常にまぎれて夜PCの前に座ってもなかなかblog upまでたどり着けません。う〜〜〜。


でも、ぼちぼちやります。


さて、今日は...いや、今日もエラストについてです。(別にエラストに文句がある訳ではありません)


私の職場は検診と、一次検診に引っかかった精密検査の乳房超音波検査をしています。
超音波装置はH社のものを使用しています。

さて、現在乳房超音波検査見習い中の人を背負って検査に入っています。
(あ、いや..実際背負っている訳ではありませんよ)

私が検査をしているのを、じぃ〜っと見学している訳です。
実は、私はあまり実際の患者さんがいる前で人に指導するのは得意ではありません。
検査をしながら画面を見ながら本当は説明すると、習う人はわかりやすいのでしょうが、それでは患者さんの方が、気になって仕方ないと思うのです。なので、黙々と検査だけを進めて行きます。

習う方は、ただただじぃ〜ッと見るだけです。

で、検査が終了してから「さっきのは...」と説明する訳です。


こんなことを繰り返していて、聞かれました。

『エラスト使わないんだね』


ふむ


確かに、私はあまりエラストを使わないかもしれません。カラーの方が使うかも?
なぜかな?
自分であまり意識していませんでしたが...

見つけた腫瘤全てにエラストをかけるのは現実的ではありません。(と思っています。)
Bモードで判定できるのなら、エラストは必要ない(と思っています。)
Bモードで自信がないのにエラストをするとさらに迷うのではないか?(と思っています。)
良性でも(結構濃縮嚢胞とか)硬い時もあるし、またその逆も...(と思っています。)
で、結局あくまでも補助診断。
全く使わない訳ではありませんが...

彼女が言うように、何でもかんでもはしていません。

また、カラーも同じです。
『嚢胞と思っても確認の為にカラーかけないの?』
ふむ

全てにかけることは、これまた現実的ではないと思っています。
血流があれば悪性な訳でもないし、ないからと言ってそうでない訳ではないし...
ただ、増殖性が強いかどうかはわかると思います。

やはり、Bモードをきっちり判定したいと考えています。
特に、検診も請け負っていますので、エラストや、カラーに時間をかけすぎるのも良くないかな?と考えています。
もちろんエラスト、カラーも重要な情報であることには間違いありません。


人に指摘されて、自分のクセ?がわかった次第です。


皆様、どうされていますか?


エラスト、カラー。


もう少し、使おうかな....(←弱気)

2011年9月23日金曜日

ちょっと気になった事

乳房の超音波検査をする時に一番大切な事はなんでしょう?


乳房に限らず、表在の検査で一番大切なことは何でしょう?
ビームを真っすぐ入れる事だと思うのです。
腹部とは違います。心臓とも違います。プローブをぐりぐり押したり、回したりしません。

コレ基本だと思ってましたが...


先日、ある人と話をしていて気になったことがありました。


「このまえ、乳腺の端のほうに腫瘤があって、なかなかキレイに描出できないし、横からあてたり...。エラストもうまく出来なくて、あっちからこっちから...横からやったり」

(横?)


おや? 基本的なところが間違っているような気がするのですが...?


乳房の大きい人は真上を向くとやはり横に垂れてきます。うらやましいですねぇ..
あ、そんな事ではなく。
足れたところは、ビームが真っすぐ当たらないと思うんですが...?
横からグニョっと言う感じでこの人はやっているんでしょうか?
横から当てて、大胸筋など入らないところでエラストを行っているんでしょうか?


ややや? 

検査のときに肩枕などを入れて乳房が真っすぐになるようにして検査をするのが良いと思います。
乳房の大きい人は(肩が痛くなければ)手を挙げてもらう方が、さらに乳房が固定されやすいと思います。
本当に大きな人は腹部のように体位変換を何度かしながら検査をします。

超音波検査と言うのは、なにかしら画像が映るので見たような気になってしまうんですが(よく私も...)、その映し出された画像が正しい画像なのかというのはとても大切だと思うのです。
そして、こわいのは検査している人しか動画を見ていおらず、静止画で「これです」と先生に判定してもらわないといけないtいうことです。
エラストも同じで押せば何かしら色がついてFLRなんていう数字まで出たりすると、もっともらしいのですが、それが正しく計測されたものなのかはとても大切な事だと思うのです。



超音波検査は難しい、難しい...と思いながら日々検査をしています。
エラストはさらに難しいですね。


日々精進。

2011年9月4日日曜日

第19回 日本乳癌学会学術総会 番外編

9月2日〜9月4日まで仙台で日本乳癌学会学術総会が行われています。

私は参加せずに家でこの電話帳のような抄録を眺めています。

参加した人たちのblogやtwitterなど読んでいると、新しい情報が入ってきます。


....と、お勉強も情報も大切なのですが、仙台のお食事情報もコレまた美味しそうな写真が続々とアップされています。
牛タンの情報が一番多いように思います。


眺めているだけでよだれが出てきそうです。



乳癌学会は大きな会で、多くの人が集まります。
多くの人が集まり、そしてものを買い、食べることで地元にお金が落ち、復興の役にたっているのだろうと思います。

この学会も当初は6月の予定でしたが、3ヶ月伸びて9月の開催です。
準備された先生方は本当に大変だったと思います。

春、秋は学会シーズンです。


次は大阪JABTS、そして乳癌検診学会と続きます。あれ、超音波検査学会はいつだったっけ?


こうして、人が集まり夜の街に繰り出し、お金を消費することで復興につながって行くと良いですね。
(あれ? ちょっとちがうか?)

何にしても、仙台の牛タンは美味しそうだな...という話でした。





2011年8月13日土曜日

超音波診断装置

超音波の機械は日々進歩しています。

どんどん新しい技術が開発されます。
デジタル画像になって、画像診断というものが格段に進歩しているのだと思います。
この技術の進歩に使う人間はついていかなければなりません。

その為にはやはり、原理を知ることが大切なのでしょう。
原理。


つまり、物理ですね。


ムムム...


超音波は音です。
つまり、波の振動な訳です。
波が伝わる早さと言うものも大切になってきます。


ッムムム....


やはり、物理の知識は必要なようです。


検査をするときに、いろいろなボタンが機械についています。
一応プリセットで色々作ってもらいますが、患者さんによって違うので、やはり最終的に自分で調節したりします。


何を触ればよいのでしょう? どうすれば、見えやすくなるのでしょう?


何をよく触りますか?


マップは好みでしょうか....? 



私は...
脂肪性の人の場合は、音速を変えたりします。
大きなオッパイの人で減衰が激しい人は周波数を落としたりもします。
後方エコーの確認の為にコンパウンドを触ったりもします。
MMGで指摘された石灰化を見つける時はダイナミックレンジを触ったりもします。

それから、それから....



皆さんはいかがですか? 


やはり、物理の勉強をして原理を理解して検査に望みたいと思います。
患者様の為です。



日々、精進。



2011年8月3日水曜日

JABTS26 ーMLTってなんだ?

7月30.31日に自治医科大学で開催されたJABTS26に参加してきました。



今回は震災の影響で、遅れて開催されました。
規模もいつもより縮小されていました。


今回は甲状腺の勉強をしたかったので、甲状腺のセッションにも出てみました。
なかなか難しいですね...。

ただ、今回の原発事故を受けて福島で未成年者に対して甲状腺の超音波スクリーニング検査が行われる計画があるそうです。
JABTSとしても全面協力していくそうです。

これは、非常に良いことだと思います。
長期的に検診システムを作ることは大切だと思います。


さて、乳腺は...
今回の「組織型を極める」は Mucocele-like tumor(MLT) でした。

これは、ややこしいですね。
MLTとは...?拡張乳管内に粘液が貯留している。一部が破れて間質内に粘液が漏れ、粘液瘤様腫瘍の像になるようです。

ん? 

コレだけ聞くと... よくわかりませんねぇ。
粘液を産生する細胞があるようです。そして、乳管の中に溜まって、それが破れて間質に漏れ出るようですが、どうして破れるのでしょう?破れたところは異常な細胞でもあったのでしょうか?
あんな、こんなと思っていたら、やはり質問がありましたが、はっきりとした解答は得られなかったように思います。



粘液貯留というと粘液癌とどう違うんだ?ということになります。
粘液湖の中にがん細胞が浮かんでいると、粘液浸潤と言うんだそうです。

このMLTというのは診断名ではなく状態を表す言葉だそうで、悪性のこともあれば、良性の時もあるようです。

このMLTの周囲に連続して非浸潤癌や粘液癌を合併する例や、その周辺部実質内に異型乳管過形成や癌が出来ることもあるようです。

ますます、難しいですね。


それから、石灰化も手がかりになるようです。
MMGでは癌のときに見られる石灰化よりはすこし角の取れた、丸みを帯びた石灰化のようです。


こうして考えると、ますます難しいですね。


各施設から、いろいろな症例の報告がありましたが、閉経前の女性に多い感じでした。
そして、超音波画像を見るにつけ...超音波で極めることができるのか? と思ったり...

ふむ。


共通した画像は、拡張した乳管または嚢胞。
大切なことは壁の肥厚が起こっていないか...?の確認です。

高輝度エコーが見えるのはおそらく石灰化なのだとおもいます。


ディスカッションの時間が無くなって、まとめられなかったのがなかなか残念ではありますが、なんとなくこんなものかぁ〜と言うイメージは出来上がったかな?



難しいですね。



次回は9月25日(日)大阪です。





2011年7月24日日曜日

第8回 乳腺超音波勉強会 終了

早いもので、超音波の勉強会も8回目まで行うことができました。

今回は外部より講師の先生を招いての特別講演でした。
今回はなんと!K医大の M先生に来ていただいて、病理のお話をしていただきました。
超音波検査をするなら、病理画像は切っても切れないものです。



約80名の方に参加していただいて、大変好評でした。
M先生の講演は、学会などでも聞く機会がありますが、いつもわかりやすくお話ししてくださいます。
途中時間の関係で飛ばされたスライドが何枚かあったのですが、じつは、それがいちばん聞きたかったりして...
飛ばされたのはADHなど乳腺症?癌?みたいな話だったのですが、確かにそれを話し始めるとそれだけで時間は終わってしまいそうです。
次回、また機会があればぜひ聞かせていただきたいです。


こうして、8回まで行ってきた勉強会ですが、アンケートに「大変勉強になりました」「ありがとうございます」の文字があると、やってきて良かった。と本当に思うのです。

私も、まだまだ勉強途中ですが、こうしてどんどん裾野が広がって行けばいいなぁと思っています。

目指すは子育て中の人も、参加しやすい地元での勉強会。勉強したい人が、どこにいても勉強できる環境を作れるようこれからも頑張って行きたいと思います。




2011年6月26日日曜日

ダブルライセンス

検査技師の学校の同窓会でダブルライセンス取得者が話をすると言うことで、私は超音波検査士の立場から、超音波検査の話をする機会を頂きました。

テーマは任せます、と言うことだったので、何を話そうかなぁ...と思いながら、やはり乳がん検診における超音波検査の役割を話すことにしました。
それにはやはりJ-Startの話は切っても切れません。


対策型の検診には現在超音波は含まれていないこと、閉経前と閉経後の乳腺の違い。MMG、US画像を比べながら閉経前に罹患患者の多い日本でMMG検診だけでじゅうぶんなのか?ということ。J-Startの話。検査者依存性の高い検査だからこそ検査者の精度管理が必要ということ。超音波検査士やJABTSが行っている実力試験などの話。

本当は実際の画像をたくさん使って話をしたかったのですが、持ち時間は10分と言うことでかなりスライドを削り、テーマであるライセンスの話に重点をおいて話しました。


少しでも乳腺超音波検査のことがわかってもらえたでしょうか?


同じ検査技師でも、他の方々の話のライセンスについて知らないものもありました。
同じ検査技師でも、領域が違えば知らないことも数多くあり(恥ずかしながら...)いろんなところで活躍されているんだなぁ..と感心しきりでした。


いろんなところで、多くの人が頑張っています。

明日もまた、頑張りましょう。


今日より、良いことがある明日。


2011年6月25日土曜日

乳房超音波検査の楽しみ方


超音波検査はいろいろな領域があります。
腹部、心臓、甲状腺、頸動脈、血管、関節、婦人科...などなど。

私が実際携わっているのは、このうち腹部、頸動脈、心臓ですが、どうして乳腺超音波にこんなに興味をもったのかなぁ...?と考えたりすることがあります。


おそらく乳腺は人それぞれ違い、同じ人でもホルモン周期によって多彩に変化して行く不思議な臓器です。(私はやらないけど、きっと婦人科領域もそうかな?)そんな色んな顔をもつ乳房超音波に惹かれたのかもしれません。

細胞診と比べ、病理と比べ、MMGと比べ、MRIと比べ...色んな検査と比べ、他職種の人とディスカッションできるのも面白いのかもしれません。


他の領域でもディスカッションすると良いのでしょうが、たまたま私の働いている環境では乳腺領域は話がしやすい先生が多かったのかもしれません。


好きになることが上達の一歩だと思っています。
他の検査を知り、比較し、より深く知ることで、また自分の仕事が好きになれたら良いと思います。


一歩ずつ、がんばりましょう。



2011年6月20日月曜日

人に伝える画像

時々聞かれることがあります。
所見を読んで、C4とした後に病理結果を聞いて悪性だった場合...

『悪性だったから、C5ですか?』


「.....」



答えはNoです。
もちろん、その画像をみて、C5と言える所見を拾い上げることができれば、(他に思い浮かべる良性疾患がなければ)いいと思うのですが、悪性だからC5と言う訳ではないと思うのです。


カテゴリー分類とはなんでしょう?

使わなくても、良いと言われる先生もいらっしゃいます。
1人で検査をして、1人で診断をして、誰にも見られることがないのなら、あるいは必要ないのかもしれません。
どう思って検査をした。何を疑って検査をした。それらがすべて言葉で書いてあれば良いのかもしれません。
それを、簡略化して分類分けしたものがカテゴリー分類だと思うのです。

同じ判断基準で分類をすることで、比べることができるものがあると思うのです。

以前、カテゴリーは自分がどう思ったか、人に伝えるメッセージと言われた先生がいらっしゃいました。

より悪性を疑う所見を拾うことができれば、カテゴリーは上がります。
カテゴリー判定する為に重要な所見があります。
前方境界線、ハロー、内部エコー、後方エコー、点状高エコーなどなど...
それらを見た時は、第3者に伝わるような画像を残さないといけません。

ハローありと判断すれば、ハローが見える画像を残す。
前方境界線の断裂があれば、断裂の画像、点状高エコー、のう胞内の充実部の立ち上がり、判断したものは自分が判断したような画像を残すことがとても大事だと思うのです。

フリーズのボタンを押す瞬間はとても大切です。(シネメモリもあります。)
押した後ちゃんと画像に自分の思い描いた画像になっているでしょうか?

画像検査って難しいですね。


自分の思いを人に伝えられる画像を残したいものです。



2011年6月19日日曜日

FEA(Flat epithelial atypia)ってなんだ?

年に2回行われる「乳腺診断フォーラム」に参加してきました。

各施設の症例検討と、特別講演が行われます。
今回の特別講演はデジタルマンモグラフィーについてで、専門的なことまではよくわかりませんでしたが、アナログとデジタルで画質が変わり、見えていたものが見えなくなったり、画質の調整が大切なんだと言うことを感じました。

そう言えば、MMG読影講習会ではフイルムで教えてもらって(虫眼鏡持って...)理解できたような気になって、職場に帰りモニターに映し出されている大きくなった画像を見るので、ピンと来なかったことを思い出します。


ところで、症例検討の方で出ました、出ました。
FEA(Flat epithelial atypia)

本当に最近よく聞くんです。勉強会などに行くとわかりにくい症例などのときに最後の病理解説でFEA

なんでしょう?これは、いったい。

FEA は乳がん前駆病変とされており、乳管内増殖病変の中に分類されているようです。
Flat typeの病変をcolumnar cell lesionとし、その中のcolumnar cell hyperplasia がFEAに該当するようです。

この辺から、だんだんややこしくなってきます。私も頭が混乱します。
機会があるたびに先生に聞いたり、ネットで調べたりした自分の解釈です。
間違っていたらご指摘下さい。


要するに、乳管内に増殖性の病変が出来ている。過形成で異形も強いけれど、がんとは言えない。でも将来がんになりそうだ。と言う感じなのだと思います。
がんと言えたら、DCISとなるのでしょう。(きっと)

すると、正常乳管→ちょっと増殖→すごい増殖(過形成)→異形が強くなる→癌?→癌
こんな感じなのでしょうか?

最近よく耳にするのは、どうしてかな?と思っていたので、せっかくなので質問してみました。
「画像検査の精度が上がった為に、微妙な変化を見つけることができるようになり、見つかる機会が増えた。もしくは、女性の体になんらかの変化があり増えてきているのか?」

病理の先生が3人答えてくださいました。
昔からあったように思うと言われる先生と、最近確かに増えてきていて、女性の体に変化があるのでは?言われる先生とでした。

ふむ。


おそらく、はっきりとした答えはなく、両方の可能性があるのだと思います。
画像検査の精度があがり、早く発見できるのと、女性自身に何らかの変化。

画像検査をしている以上病理検査は切っても切れない間柄で、本当に勉強しないといけません。勉強すればするほど、わかったような、よりわからなくなったような...の繰り返しです。

私の職場は検診施設なので、病理がないのが残念なのですが、こうして機会があるごとに質問を続けて行きたいと思っています。


やっぱり、難しいです。

そして、flat epithelial atypiaって言いにくいんですよね〜。
質問の時もつっかえちゃいました。(^^;;



こんなに、大切な病理なのに、実は病理医が不足しているという事実もまた、忘れては行けませんね。





2011年6月13日月曜日

乳房超音波精度管理ファントム

再開しますと言った割には、なかなかup出来ずにすみません。

この時期は、何かと行事が重なって...(←言い訳ですね ^^;;)


さて、タイトルにも書きましたが、みなさま『乳房超音波精度管理ファントム』と言うものをご存知でしょうか?

「知ってる!」「使っている!」と言う人と、「本で見たことあるけど...」「知らな〜い」と言う人に分かれると思います。
JABTSの講習会に参加したことのある人は、知っていると思います。
書いて字の如く、超音波の精度管理用のファントムです。

超音波に精度管理?と思う人もいるかもしれません。
確かに他の検査に比べて数字で出ない画像検査は精度管理が難しいとされています。
技師会などで行うコントロールサーベイなどありますが、これはどちらかというと生理検査部門では検査をする側つまり私たちの読影能力をチェックするものです。これももちろん大事なことです。

画像は好みも人それぞれだし、確かに画質も違いますが、だからといって精度管理が必要ない訳ではありません。
乳房超音波は1㎜単位の細かい変化を見て行くので、機械の劣化が見落としにつながることは間違いありません。
そこで、機械の管理に必要なのがこのファントムです。
超音波の機械は分解能が重要になってきますが、方位分解能、距離分解能などなど、色々チェック項目があります。
1ヶ月ごと、半年ごと、1年ごととそれぞれ撮像方法があります。
こういった管理をすることで正しい検査が行われている指標にもなります。


ただ、このファントム非常にお高いものになっています。
乳腺専門の施設なら必須だと思いますが、実際もっている施設は実は少ないような気がします。わかっているけど、やっていない...と言うのが現状でしょうか?

各施設で持つことが理想ですが、高いのでメーカー保守にお願いするのも良いと思います。(メーカー保守もお金がかかるけど...)
もしくは関連学会(JABTS、乳癌学会、乳癌検診学会など)が貸し出しを行い、検査を行っている施設必須にするとか?(非現実的?)
もう一つは...各自治体などで買い、その地域の施設に貸し出し、精度管理をする...とか?(これも、非現実的か...)

そして、また検査装置の基準には「規定のファントムで所定の画質条件を満たすこと」となっていますが、では、満たさなかった場合、すぐに機械を買ってもらえる施設ばかりではないように思います。超音波の機械も高いですから、買うと次の更新までは予算も難しいでしょうし...なかなか難しいのでしょうか。


でも、やはり画像、機械の精度管理はとても重要なことです。
やったことない施設は乳房超音波検査をしているのなら、やはり、メーカーに頼んでしてもらってみるのもいいと思います。


ファントムをあつかっている京都科学さんのサイトです。

京都科学


機械も人も正しい管理をして、精度の高い検査をしたいものです。


ちょっと、長くなりました。すみません。



2011年5月25日水曜日

第7回 乳腺超音波勉強会 
































昨日、「第7回 乳腺超音波勉強会」を行いました。


2ヶ月に1度行ってきた勉強会ですが、早いもので気がつけばもう1年過ぎていました。
始めたころは、どうして良いかわからず、先生に「おんぶにだっこ」と言う形でしたが、1年経って、少しずつ技師も頑張れるようになってきたかな?


今回は症例検討と、初の試みとして先生の提案で「読影ミニテスト」と言うのを行いました。

初めてのことだったのですが、アンケート結果を見るとなかなか好評だったようです。
準備してくださった先生は大変だったと思いますが...こういうことも、徐々にそれぞれ担当して技師が出来るようになれば、先生の負担も軽減できるかなぁ? 


症例は、検診で「C2で落とすか、C3で精査とするか」という低エコーとするか正常乳腺の範疇か?という、これまた難しい症例を取り上げました。

検診では、『C2として落とすことも重要』ということが勉強できれば...と思いました。

今回も人に説明しながら、一番自分が勉強になったのでした。


次回は特別講演でK医大のM先生に来ていただいて病理のお話をしていただくことになっています。こちらも楽しみです。


大変だったけど、充実した会でした。



2011年5月1日日曜日

お久しぶりです

お久しぶりです。

長らくお休みしていました。
理由は色々あるのですが...一番の理由は愛用Macが壊れて、パソコンに向かう元気がなくなったことと、超音波検査士の試験があったりしてバタバタとしていました。

試験の方は、表在ではなく検診領域を受験しました。
理由はいろいろですが、検診施設で働いていること、腹部、乳腺、甲状腺、頸動脈どれも検診に携わっていることなどです。
物理は学生の頃は好きだったのですが、頭が固くなったのでしょうか...結構苦労しました。

おかげさまで合格しました。


また、ぽつりぽつりと続けていこうと思います。
今度は画像などを見れるように番外編のサイトも準備中です。
こちらは、私のことを知っている人が見ると、個人が特定される恐れがあるので、十分注意しながら作って行こうと思っていますので、もうしばらくお待ちください。



また、よろしくお願いします。



2011年1月14日金曜日

しばらく お休み

このサイトも1年半続きました。


その間いろいろなことがありました。
検査を始めて勉強したこと、失敗したこと。
考えたこと...

勉強会を立ち上げたことが一番の出来事かもしれません。


アクセス解析をみると、いろいろな所で多くの人に読んでもらっているようで、ありがとうございます。



これからのことを考え、勉強部屋としてセキュリティーの強化を考えています。


それまで、しばらくblogをお休みします。

今まで、読んでもらっていた皆様、ありがとうございました。

2011年1月9日日曜日

iPadでの学習法

乳腺診断フォーラムで講演をされた武部先生ですが、超音波の学習教材としてiPadを使っていらっしゃいます。
見せていただきましたが、とても良いと思いました。

もともとMac派なのでAppleと言うだけで、+イメージからスタートなのですが、実際見させてもらって、画像が自分の思うように大きくできるのが何より良いと思いました。
特に病理画像は好きなところが拡大できるのがとても良いと思います。
もちろん超音波は動画を見ることができるわけです。

福岡の検診学会でTOSHIBAのブースに置いてあったようですが、私は立ち寄ることができませんでしたので、今回このiPadを見るのをとても楽しみにしていました。

将来、App storeで売り出されないかなぁ....。

乳腺診断フォーラム

昨日は「乳腺診断フォーラム」がありました。

この会は年に2回行われており、私の住む県下の乳癌診断に携わる人があつまって行なわれています。毎回多くの人が集まり、会場に入りきれないくらい...(出遅れると、お弁当、ジュース、資料など足りなくてもらえなくなります。)

今回の症例検討は珍しい症例もあり、検診センターに勤める私としては、なかなか面白かったです。
超音波画像に限っていうと、人にうったえかけることのできる画というのはなかなか難しいなぁ...と思いながら見ました。


個人的な反省点としては、
「腫瘤非形成のC4とC5の違いはどこですか?」と聞かれた時に、はっきり答えられませんでした。
理由の一つは、福岡で行なわれたフイルムリーディングです。
こんなにはっきりハローがあるのにC4だったものがありました。結果的にハロー様にみえる...という解説だったと思うのですが...
それから、点状高エコーも区域性でも乳腺症にともなうものもあったりして...
反対側と比べる、区域性にある。
はっきりと浸潤所見と取れればいいと思うのですが、それを言葉にするのは難しいとおもいました。(それこそ自分の主観になってしまいます)
ガイドラインにも4(5)と書いてあるものが多いのも確かです。
最近自分の中で、ここがぶれているな〜と感じています。
ただ、一つ気を付けているのは、悪性だ!と思っても、ひと呼吸置いて、こんな良性ないかな?と考えるようにしています。
血流が多いのは悪性ばかりではありません。血流が多いと言うのは増殖傾向にあるということですから、良性でも増殖傾向にあれば血流も増えて来ます。
ハローに見えるけど...炎症やリンパ球が集まっていても周囲が高エコーに見えたりもします。
本当にこんな良性ないかな?と考えて、なければC5としています。
でも、これも主観でしかなく、ひとに伝わるように客観的に説明するのは難しいです。
まだまだ、勉強です。




さて、特別講演ですが今回は香川から「たけべ乳腺外科クリニック」の武部先生でした。

武部先生と言えば私の乳腺超音波検査の原点になった先生です。
まだ、乳腺超音波検査を始めて間もない頃、JABTSのランチョンセミナーで「実践塾」を聞いて(入塾して)本当に目からウロコが落ちたのを今でも覚えています。

始めた頃は、低エコーの腫瘤を見つけることが必死だったのですが、先生が動画を使って説明される「周囲を引き込む」イメージが本当によくわかるようになりました。
あれ以来、どんどん乳腺超音波が好きになって、今の私が出来上がったのは間違いありません。

今回の講演も「実践塾」でした。JABTSの診断基準とはひと味違う武部流診断基準で話しが進んで行きます。
JABTSの診断樹は少々(いや、ずいぶん)複雑過ぎて初心者には分かりにくくなっています。
ただ、精度管理上カテゴリー分類はおそらくどうしても必要になってくるため、多くの人に同じ概念で分類してもらうためにはしかたないのかな?という感じもしています。
多くの人と同じ概念、土俵で話しをするためには、やはりカテゴリー分類は必要なのだと思います。


武部先生の話は、まず見つけることが大事。動画をつかった講演はとてもイメージをつかみやすいです。腫瘤が回りを引き込んで行く感じは、多くの静止画を見るよりも、一回の動画を見る方が説得力があります。

MMGで見える小さな石灰化も超音波できちんと描出できるのです。
う〜ん...もしかして、見えていないと思っていたのは、描出されているのに気がついていないだけなのかもしれない...。
次回から石灰化、もう少し頑張って集中力をあげて検査してみましょう。


フォーラムの後は懇親会が行われました。
今までは、医師だけで行なわれていたようですが、今回は世話人の先生の配慮もあって超音波検査をする技師や放射線技師、病理、細胞診からも参加させてもらいました。

武部先生と一緒に来られていた技師さんとも話しをすることができました。
細胞検査士で超音波検査をしていらっしゃいます。自分で検査したひとの結果を自分で顕微鏡でみたり、切り出しに立ち会うことが出来るのはとても良いと思いました。
話しを聞いていると、先生とも「いつも意見がぶつかり合ってケンカをするんです」とおっしゃっていましたが、それはお互いに自分の信念がきちんとあり、信頼し合っているからだと思うのです。そんな風に医師と意見が言い合えるのは、少しうらやましいなぁ...と思いました。

私の職場では検査室と医局は物理的な距離だけでなく、精神的な距離がとても遠いと感じています。

今回の色々な人が参加した懇親会は、違う職種の人の話しが聞くことが出来てとても楽しく、私にはとても刺激になりました。



さて、余談ですが..武部先生と話しをしていて、意外な共通点がありました。
私の大好きな、TBSアナウンサーの安住さんの「日曜天国」、文化放送の「大竹まことのゴールデンラジオ」のPodcastを聞いていらっしゃるとか...。
安住さんのシュールな笑いを武部先生も好きなんだなぁ...と思うと、ちょっと嬉しくなりました。

2011年1月6日木曜日

出張検診での乳腺エコー

今日検査室の科長に「出張検診で乳腺超音波検査をするのはどうかな?」と相談をされました。

私の勤める検診センターはバスで地域をまわって検診を行なっています。
今は、胸部レントゲン、胃検診、MMG、婦人科、一般的な検尿、血圧、採血、心電図、眼底検査などの機械をバスに乗せて行って、公民館、集会所などで行なっています。
対象は地域の住民検診ですから、40歳以上となります。

で、それに乳腺超音波を加えたらどうかな?という問いかけだったのですが....


私は、すぐに「良い考えですね」とは言えませんでした。


まず、
1、乳腺超音波検査をどの位置づけで、行なうつもりなのかが科長の話しから読み取れなかったこと。
2、検診として乳腺超音波検査が本当に適しているのか? カテゴリー3以上で引っかかる人が増えすぎて、かえって精密検査外来がパンクしないだろうか?
3、同時にMMG検診が行なわれないこと。
4、乳腺外科の医師がいない出張検診会場で検査を行なって、後日超音波画像をすべて医師が見るのか?それとも技師の判断でするつもりなのか?


などなど....


超音波検査が優れていることは分かっているし、精密検査として必ず必要な検査であることは分かっているのですが....

何も異常の無い人を対象に行なう時にどうなのかな?と言う思いが少しあります。対象も高齢者ですし...

だから、なおさらこの質問に考えさせられました。(いまも考えています。)

確かにMMGでは分からないものも超音波で見つかることもあります。

う〜ん。


いま、行なわれているJ-startの結果を待ってからでも良いような気はしますが...。

2011年1月5日水曜日

MMGのブラインドエリア?

「おや?」と思う症例を経験しました。

1次検診MMG - MLOのみで、L領域のかなり深い位置に半分かくれるくらいのFAD(として取ってありました)?mass? がうつって2次検査となったわけです。
で、追加撮影CCでは MLOでうつっていたFADっぽいもいものははきりせず、放射線技師さんもMLOの拡大追加撮影をして下さっていました。
拡大すると、ますますはっきりとしなくなりました。

検査の前にそのMMGを見て、腫瘤ではないのかな?という印象で検査を始めました。
すると、B領域、ほとんど乳腺の外より(体の中心に近い方です)に、はっきりとした低エコー腫瘤をみとめました。

ムムム....? 

場所的にMMGで挟みきれなかったことも考えられます。追加CC、拡大MLOで上手く挟めてなくて「伸びてきえた?」と思わせたのかな?とか...? 



AやB領域の内側って意外に超音波でも盲点になりやすいエリアだと思うのです。乳腺が終わっている..とおもい走査をやめてしまったり..。
MMGでもおそらく挟みにくいブラインドエリアに相当するのではないかな?と思います。

今回も、はっきりは分かりませんが、そうではないかな?と思います。


エコーもWhole Breast scanは大前提ですが、やはり気をつけないといけないと改めて感じました。

2011年1月2日日曜日

新年あけましておめでとうございます

遅ればせながら、いつもblogを読んでもらっている皆様

新年あけましておめでとうございます。
今年も超音波検査をしながら気がついたことを、ぽつりぽつりとつぶやいてみたいと思います。

なんとなく始めたこのブログも気がつけば色々な方に見つけていただいて読んでもらっているようです。
本当にありがとうございます。




今年もまた、頑張りすぎず気楽につぶやいて行きますので、末永くよろしくお願いします。