先日カンファレンスでカテゴリー4か5かで質問されることがあり、ふと考え込んでしまいました。
ご存知の通り、JABTSの検診診断樹はすこし複雑なのです。
カテゴリー5と単独のものはなく、ほとんどがカテゴリー4、5と書いてあるのです。
カテゴリー5となるところはハロー(+)、それでも(4)が付いていたりします。
MMGのカテゴリー分類と少し趣が違うのかもしれません。
質問されたのは、境界明瞭粗造な低エコー腫瘤でW/D比も高く後方エコー不変〜やや増強で内部に微細点状高エコーを伴い、乳管内進展と思われるヒゲのようなものも描出されていたので、私は乳頭腺管癌(DCIS)か充実腺管癌を疑い、「カテゴリー5です」と言ったのですが...
この腫瘤はハローもはっきりせず、前方境界線の断裂もはっきりしませんでした。
この2つが(ー)の場合カテゴリー5ってどうなんだろう...?と言っておきながら、あとから思ったのですが、逆にカテゴリー4だとすると鑑別診断にあげる良性疾患が思い当たりません。となると5でいいのか?
う〜ん....
しばらく、悶々と考えてしまいました。
カンファレンスの帰り道、悩ましい診断樹と自分の疾患の引き出しの少なさに反省しきりでした。
また、画像を見た時に自分の頭に思い描いていることを、うまく説明できないのも反省です。
日々、勉強。
2010年4月15日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
実際に見たわけではありませんが、エコー所見からは、”乳管内に発育した微細石灰化を伴う腫瘍”ということですよね?
返信削除私の経験上もこのような所見で良性のことはあり得ます。代表的なものは、ductal adenomaです。ductal adenomaは血性乳頭分泌を伴うこともあり、画像はもちろん細胞診でも癌と誤診されやすい代表的な腫瘍です。またIDPも古くなって石灰化をきたすことがあります。境界部高エコー(ハロー)も乳腺前方境界線の断裂もないということは明らかに浸潤癌と断定できる所見はないということですので、これらの疾患も多少は考慮に入れなければならないのでカテゴリー4が正解なのではないでしょうか。
hidechin先生
返信削除そうですね。ductal adenoma...
教科書にも癌と間違えやすい代表で必ず載っていますね。
乳管内進展を思わせる所見もIDPということも言えるわけですよね....
カテゴリー4ですね。
たくさんの画像を見て、色々な疾患の可能性を考え、引き出しが増えればいいなぁと思います。
ありがとうございました。
hidechin先生
返信削除付け足しです。
ductal adenomaでも微小点状高エコーを伴うことがあるのですね。
勉強になりました。
ありがとうございました。