2010年6月9日水曜日

前方境界線ってなんだ?

乳腺超音波検査をする時に、よく聞く言葉『前方境界線』というのがあります。


この「前方境界線」とはなんでしょう?
JABTSのガイドラインによると...
「浅在筋膜浅層は乳頭直下で翻転し乳腺組織を包み込むような構造になっている。皮膚脂肪と乳腺組織の境界部にはこの膜が存在し、乳腺の前方境界線を形成している。 前方境界線を形成する膜はクーパー靭帯とも連続しており...」
とあります。
また、こうも書いてあります。
「乳腺とその周囲組織との境界線を乳腺境界線といい、皮膚方向を前方境界線、反対方向を後方境界線という」

病理組織的には「前方境界線」という名称のものはないそうですが、乳腺の外膜、線維性の結合組織を指していると思われます。

「こんな線はないので私はこの言葉を使いません」といわれた先生もいらっしゃいました。



時々、検査をしていて分からなくなるときがあります。
乳腺がはっきりとしている若い女性などは、この境界線ははっきりわかると思うのですが、いわゆる脂肪性の乳腺で「?」と考えることがあります。
乳腺は退縮していき脂肪性となり、どこに境界線があるのやら? 
脂肪と乳腺が入り交じってどれが境界線だか...? 


悩ましい...

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