2012年1月4日水曜日

素朴なギモン...術前化学療法って...

以前勉強会で、遭遇した症例です。

 3cm近い腫瘍で、術前の組織診断は「充実腺管癌」でした。
術前化学療法を行い、MRIでもエコーでも画像的に全く認められなくなっていました。 

で、手術ですが... RVSで確認をして腫瘍があったところから2cmマージンとっての切除となっていました。
術後の病理画像でも、癌細胞はきれいになくなっていました。
瘢痕のようなものだけになっていました。
 その症例を見ていて、こんなにキレイに消えてなくなるんだなぁ...と思ったのと...

 あれ?

 せっかく無くなったのに、あんなに切除しないといけないの?と言うギモン...。

 で、聞いてみました。

 すると、先生の答えはこうでした。

 いくらMRIやエコーなどの画像上なくなっていても、細胞レベルでは癌細胞が残っていることもある。 それは取ってみて、顕微鏡で見て初めて判ることなので、やはり最初に癌があったところは取らないといけない。

 そうか... 確かに、病理画像を見てこんなに何も残っていないのなら、切除しなくても良い...と言えるのは、やはり切除して顕微鏡で見たからで、結果論なんだなぁ。
少しでも、残っていたら、それは再発になってしまうのかも? 
せっかく、無くなったのなら手術しなくてもいい方法もあるのかな?
小さく切って放射線療法と言う手もあるのかな?
患者様の希望もあるだろうし...。


 今回は、術前化学療法って本当になくなる人はなくなるんだなぁ..と感心したのと、やはり、病理診断って大切で、大変だと言うことを学びました。

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