2011年12月21日水曜日

月食と物理と超音波

先日、綺麗な皆既月食を見ることができました。

日本では、時間帯もよく天候にも恵まれた地域が多かったので、皆既月食を見たよ!と言う人は多いのではないでしょうか?


皆既月食のとき、月は赤く見えます。


なぜでしょう?


それは、光のうち赤い光は波長が長いので大気中の塵や、色々な分子にあたっても、屈折率が小さいため遠くまで光が届き、地球の影に隠れても月まで届くことができる。と、言う訳です。
では、なぜ空は青いのか?
赤い光とは逆に青い光は波長が短いです。屈折率は大きくなります。大気中のいろいろな分子にあたって屈折を繰り返し、散乱してしまいます。(月までは届かない)散乱することで、空は青く見えるのです。
夕焼けが赤いのは、まさにこの現象です。太陽が地平線に近いところにいると大気中を通る距離が空高くある時よりも長くなる為、赤い光だけが残って、目に届くと言う訳です。


波長が長いと屈折率は小さく、遠くまで届きます。
波長が短いと屈折率は大きく、途中で散乱して遠くまで届きません。

どこかで、聞いた話ですね。

超音波では周波数が高くなると分解能は上がりますが、深部減衰が激しくなります。
これは屈折率が大きくなるため散乱がおこっているのです。

月食の赤い月を見ながら、子どもに波長の話をしつつ、超音波のことも思い浮かべた夜でした。


たかが波ですが、されど波です。

どうして、高周波が深いところが見えないのか、空がどうして青いのか?月食の赤い月と理由は同じです。


物理も面白いですね。