2009年12月13日日曜日

症例の整理

時間のある時は、今までの症例の整理をするようにしています。

ただ、あまり整理整頓が得意ではないので、うまくまとめる事ができなくて、集めたものがゴチャゴチャになってしまいます。

超音波の写真をもとに他の検査の結果を集めていきます。
病理の写真を見た時に、なるべく超音波の写真とイメージが合うように写真が撮れれば良いなぁと思うようになりました。
手術の切り出し方向とあわせて超音波の写真を撮れば、おなじイメージでルーペ画像を見る事ができると思います。

それ以来、なるべく切り出し方向を意識して写真をとるようにしています。
後は、手術をした施設のカンファレンスで病理画像を見る時に、自分のイメージを確認して、自己満足で終わります。

でも、その自己満足がきっと明日の検査につながっていくと信じています。
小さな自己満足の積み重ねです。

2009年12月11日金曜日

エラストで生検率減少

この度、シカゴで開催された北米放射線学会で、エラストを使用する事で悪性病変と良性病変の区別が容易になり、不必要な生検を減少する事ができると発表されたようです。


何を今更....と言う発表のような気がしなくもないですが....。


確かに、良性だと思うけど念のために...と針生検となる例が減るのかもしれません。
どちらか迷う所見の時に、補助診断として有用な事は間違いありません。

この、優れた技術を正しく使うためにも、我々使う側がキチンと使いこなさなくてはいけません。
日々、鍛錬。 頑張りましょう。

2009年12月9日水曜日

乳がん検診

乳がん検診に行って来ました。
いつもは人の検査をしているのですが、自分の検診に行って来ました。

昨年の人間ドックのMMGで、FADと石灰化の集蔟を指摘され超音波検査を受け、同じ場所に小さな低エコーがあり、『小さいので1年後に検診を受けてください。』と言われた箇所がありました。

自分が検査をする側の時は、よく聞くこのセリフですが、実際自分の身になると気になるものです。実際去年指摘されてから、ことあるごとに自分でエコーで確認していました。

自分ですると座位となるため、なかなか上手く描出できず、また自分で自分のものは冷静に判断できず、乳腺症にも見えるけど、DCISにも見えるな....なんて思ったり。


今回のMMGを見せてもらった瞬間、石灰化が増えているように見えたので、ドキッとしましたが、「これは良性の石灰化です」ときっぱりと言ってもらい、なんだかとても安心しました。

ふだん検査をしている側の立場で、何とも思わない言葉でも、自分が検査を受ける側になるとやっぱり違います。次の検査までの1年が長かったこと。いつも気にしているわけではないけれど、心のどこかで気になっている。
検査を受けにくる人もそんな気持ちなのだと再認識をして、私の検診は終わりました。

検診の最後に、丁寧な自己検診の指導もありました。
とても、感じの良い先生でした。

2009年12月8日火曜日

カラーとエラスト

今日は術前カンファレンスでした。

エコーだけでなく他の検査の結果も判るし(術式も)、カンファレンスは行ける時にはなるべく参加しています。

さて、最近気になる事があります。
それは、超音波検査は基本は白黒のBモードですが、カラーをかけたり、エラストで硬さを調べたり、さらには石灰化が光って見えたりと、各社色々な機能がついていて、それを使いながら検査をして行くわけです....。

とても便利なのです。



本当に便利なのでしょうか?


きちんと使う側が理解して、正しく使っていれば便利だと思うのですが、安易に使っていると大変な間違いをしてしまうのではないだろうか....?

例えばエラスト。Bモードがきちんと描出されて初めてその機能が使えるわけだし、正しく同じ断面で圧迫されていないと正しい評価は得られません。
カラーはどうでしょう?
「血流があればカテゴリーをあげても良いんだよね?」とある人が言っていました。
良性のものでも血流が豊富なものはあります。


簡単にボタン一つで検査できてしまうわけですが、使う側が、きちんと理解して使いこなさなければ、間違った判断をしてしまいます。

以前、研修会で同じ腫瘤を2人の技師がカラーをかけ血流を比べた写真が出されました。
全く違う写真でした。一人は押さえすぎのためか、血流信号が捕らえられていませんでした。

便利な技術はどんどん出て来ますが、それを使いこなすだけの技量がこちらにも必要という事だと思います。
ボタンを押せば何かしら、数値がでます。数値がでるとそれが一人歩きしてしまいます。

検査をするのは、新しい技術に遅れないように、日々勉強ですね。

2009年12月7日月曜日

デモ機

今、うちの施設は機械の更新時期という事もあって、デモ機が入れ替わりやってきています。

今日もデモの新しい機械で検査をさせてもらいました。
やはり今使っている機械よりもよく見える。(今のが見えなさすぎ....)

高周波だと減衰が強くて深いところが見えにくいなぁ...なんて思っていると可変式ですぐ周波数を変えることが出来るので、浅いところから深いところまで、よく見えました。
(う〜ん、今のが見えなさすぎだったのだ)

何にしても、買ってもらえるものなら早く変えてもらえるといいなぁ....。

2009年12月6日日曜日

診断フォーラム

昨日は乳腺診断フォーラムがあったので、参加して来ました。

MMG、超音波、CT、MRI、細胞診、病理などいろいろな画像を見ることができます。
それぞれ解説があるので、とても勉強になります。

特に病理の解説は「へー」「ほー」と思うことがたくさんあります。

他の検査の知識を増やすことは、やっぱり超音波の検査に役に立つと思っています。
こういう会にはなるべく参加して、勉強できる機会を増やせれば良いと思います。


特別講演で『MMGの読影のポイント』があり、こちらもとても勉強になりました。
MMGというのはふだん見ているけれど、きちんと習ったことがなくて、独学だったので「あ!そうだったのか」と思うところがたくさんありました。


日々、学習ですね。

2009年12月3日木曜日

新ガイドラインで混乱

Annals of Internal Medicineの11月17日号で、米国政府組織である予防医学特別作業班(USPSTF)による乳癌検診に関する新ガイドラインが、発表されました。

その内容が、ちょっと驚きです。


40歳以上の女性は毎年1回マンモグラフィを受けることが長年推奨されてきましたが、新ガイドラインはこれに反しています。USPSTFによると、このガイドラインは、早期発見などの利益と偽陽性によるリスクを比較分析した結果だそうですが....。

この新しいガイドラインを抜粋してみます。
 
・40〜49歳の女性がマンモグラフィを定期的に受ける必要はない。40歳以上の女性が定期検査を開始する最善の時期については、医師に相談して個々に決定する。
・50〜74歳の女性は2年に1回マンモグラフィを受けることを勧める。
・75歳以上の女性については利益とリスクをはかる十分なデータがない。
・乳房自己検査により死亡率が軽減されるとの証拠はないため、自己検査の指導をする必要はない。
・40歳以上の女性が臨床乳房検査(視触診による乳房検査)を受ける価値を評価する十分な証拠はない。



なんでしょうか?これはいったい? 
どういった比較分析を行ったらこう言う結果になるのでしょう?

アメリカ全体がこう言う流れなのかと思いきや、どうやら米国癌協会(ACS)および米国放射線医学会(ACR)は強く異論を唱えているようです。 
少し、安心しました。
自己検診の指導は必要なしと言われると、自己検診の重要性を言い続けている我々としても、悲しいものがあります。

ただ、一つそうかな?と思える点がありました。
『マンモグラフィの考えうる有害性としては,偽陽性による不安,手技,コストや,女性が生きている間には見つからなかったであろうがんの診断をされその治療を受けることなどです』
この部分は、少し考えさせられました。
乳癌に限らず、最近のフルデジタル画像診断の進歩のおかげで、小さな腫瘍がはっけんされます。本当に治療が必要だったのか?と言うものも発見されます。


この発表で日本の検診ガイドラインが揺らぐことはないと思いますが、(アメリカの癌学会も反対しているようですし)ただ、アメリカの保険会社などの対応が変わると、アメリカの人たちはどうなってしまうのでしょうね。 

 
興味のある方は是非読んでみてください。
http://www.annals.org/content/151/10.toc
日本語訳
http://acpjc.naika.or.jp/journals/annals/annals_151_10/annals_151_10.html